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私は日本の歴史時代全般に興味があるが、特に古代史の分野(旧石器時代から縄文・弥生・ 古墳時代)には強い興味を持っている。主として邪馬台国とその周辺が研究対象なのだが、 縄文時代にも興味があり「NPO法人 国際縄文学協会」という団体にも加入している。この団 体は純粋に学術的な団体で、論文審査に合格すれば、一年間 500万円くれて海外の縄文学研 究機関に留学させてくれる。しかし研究者でないと論文提出が認められないので、私などは まず無理であるが、年3千円の会費で、送られてくる会報誌や写真集を見るのは楽しい。 今回の展示は私はまだ見学していないが、資料を見ると展示物のほぼ7割くらいは現地で見 ているようだ。会場は撮影禁止との事なので、NETその他でかき集めてきた写真で、VIRTUAL 展示展を製作してみた。既に行った人には復習に、まだの方には勧誘に、それぞれお楽しみ ください。 国宝  火焔型土器 新潟県十日町市 笹山遺跡出土 新潟・十日町市蔵(十日町市博物館保管) 縄文時代にもっとも数多く作られた道具のひとつが縄文土器。そのなかでも圧倒的な存在感 を示し、土器本来の役割が煮炊きの道具であったことを忘れさせるほどの造形美を誇るのが 火焔型土器である。 火炎土器のふるさと、新潟県「馬高遺跡・三十稲場遺跡」の詳細を見たい方は  火炎土器発見の地 をクリックしてください。 国宝土偶 中空土偶 北海道函館市 著保内野遺跡出土 北海道・函館市蔵 (函館市縄文文化交流センター保管) 頭部から足先まで中空で薄手に形作られた体や全身を飾る精緻な文様は、熟練した土器作り の技術を巧みに応用したものといわれている。全身が現存する中空土偶のなかで最大を誇り、 北海道唯一の国宝でもある。 中空土偶が展示されている博物館へ行くには、函館市縄文文化交流センター をクリック してください。 国宝土偶 縄文の女神 山形県舟形町 西ノ前遺跡出土 山形県蔵(山形県立博物館保管) 「八頭身美人」と評され、堂々たる正面観と先鋭的な印象を与える側面観との差異が際立ち、 現代美術に匹敵する造形美ともいわれる。他方、顔を表さず性表現を抑えることで、その神 秘性を高める工夫を凝らしている。 国宝土偶 合掌土偶 青森県八戸市 風張1遺跡出土 青森・八戸市蔵(八戸市埋蔵文化財センター是川縄文館保管) 縄文時代の土偶のなかには当時の人びとの思いを端的に伝えるしぐさや行為を象ったものが しばしば見られる。本例は膝を立てて座り、胸の前で両手を合わせるその姿から、「合掌土 偶」と呼ばれ、祈りの姿そのものとも評されている。 国宝土偶 仮面の女神  長野県茅野市 中ッ原遺跡出土 長野・茅野市蔵(茅野市尖石縄文考古館保管) 顔の表現が仮面をつけたような土偶は一般に仮面土偶という。なかでも一際大きく優美な本 例は、「仮面の女神」と呼ばれている。墓と考えられる土抗群の一つから出土した「仮面の 女神」は、死者への鎮魂と再生を祈るために埋納されたと考えられている。 国宝土偶 縄文のビーナス 長野県茅野市 棚畑遺跡出土 長野・茅野市蔵(茅野市尖石縄文考古館保管) 「縄文のビーナス」の名にふさわしい力強くも柔らかな曲線美は、縄文時代の人びとの女性 美の理想を表したかのよう。土偶は安産や子孫繁栄を祈るために作られたと考えられている が、まさにその祈りを体現したかのような土偶である。 仮面の女神、縄文のビーナスが展示されている、茅野市尖石縄文考古館 へ行く。 重要文化材 遮光器土偶 青森県つがる市木造亀ヶ岡出土 東京国立博物館蔵 約1万8000点以上もの土偶が出土しているが、教科書にも登場するこの遮光器土偶が最も著名 な土偶といえるだろう。 遮光器土偶のふるさと、青森県つがる市木造亀ヶ岡の 亀ケ岡遺跡  へ行く。 重要文化財 木製編籠 縄文ポシェット 青森県青森市 三内丸山遺跡出土 青森県教育委員会蔵(縄文時遊館保管) 素材の特性を生かして作られた、美しさと温かみを感じさせる一品。 編物製品は丈夫で軽く 扱いやすいため、さまざまな生活の場面で用いられた。 発見された時、中にはクルミが残っ ていた。 縄文ポシェットが出土した 三内丸山遺跡  へ行く。 重要文化財 ハート形土偶 群馬県東吾妻町郷原出土 個人蔵 「遮光器土偶」と並んで人気の高い土偶の一つが「ハート形土偶」。ユーモラスなハート 形をなすことから、その名がつけられた。極端にデフォルメされた目鼻や体の表現は笑み を誘う。

重要文化財 尖頭器 長野県南箕輪村 神子柴遺跡出土 個人蔵(長野・伊那市創造館寄託) 槍先として必要な機能だけでなく、独特の緊張感みなぎる美を備えている。狩猟に最適な 形として発達した尖頭器は、後世、素材が石から青銅や鉄に変わってもその形は不変であ った。

重要文化財 猪形土製品 青森県弘前市 十腰内2遺跡出土 青森・弘前市立博物館蔵 イノシシをはじめ、縄文時代にはしばしば動物を象った土製品が作られた。このような動 物形土製品は縄文時代全般を通じて、日本各地で見られる。 重要文化財 鹿角製釣り針 重要文化財 土製耳飾 東京都調布市下布田遺跡出土 江戸東京たてもの園蔵 花弁にもたとえられる優美な透し彫りをもつ土製の耳飾。耳飾の多くは女性が身に着けた と考えられ、年齢や出自を表し、それに応じた役割や権利を示す為のものともいわれてい る。 やかん型縄文土器は、西宮夙川にある「辰馬考古資料館」にも展示がある。 秋田県 「伊勢堂岱遺跡」を見る。 北海道千歳市「美々4遺跡」そばの美々貝塚 を見る。 新潟県立博物館の詳細を見たい方は 新潟県立博物館 をクリックしてください。 釈迦堂遺跡の詳細を見たい方は 釈迦堂遺跡博物館 をクリックしてください。 彩陶鉢中国甘粛省あるいは青海省出土 東京国立博物館蔵 私は縄文・弥生・古墳時代が好きである。それは日本が日本になり、日本人が日本人になった、 現代日本の基層がこの時代にあったと考えるからであり、それぞれの時代は、学べば学ぶほど ますます興味がわいてくる。社会構造、経済基盤の確立は弥生時代に成ったと思うし、社会体 制、中央集権の確立は古墳時代に基礎が出来たと思う。そして縄文時代は、そこへ至る人間の 情操、気質、感覚のようなものを培養するのに、十分すぎるほどの長い時間と空間を持ってい たと思うのだ。 一方で私は山登りも好きであって、学生時代にワンゲルをやっていたこともあって、八ヶ岳も 大好きなのだ。子供が小さい頃は、よく八ヶ岳山麓でキャンプをした。歴史に興味を持ちだし てからは、何度かこの八ヶ岳山麓の縄文時代遺跡をたずねた。そんなわけで、今日ここに並ん でいる展示物の幾つかは、私はすでに現地で見ているはずなのだ。 縄文時代は1万年以上続いている。気が遠くなるような期間だが、これはこれで人類にとって 必要な期間だったのだろう。縄文時代も1万年同じ生活をしていたわけでは無く、よくみれば 早期、前期、中期、後期、晩期とそれぞれに、遅々とした歩みではあるが、発展的に進行して いるのである。土器を作り出し、居住空間と墓域を分け、穀物・果実を栽培し、晩期には稲作 を受け入れている。 壮大な日本人の歴史のはじまりが、この縄文時代なのである。とりわけ八ヶ岳山麓の縄文遺跡 は、その数の多さで他地域を圧倒している。前期末から中期にかけては、東日本の縄文人の大 半がこの山麓に住んでいたという説もあるほど、縄文人達の痕跡が濃厚である。 その詳細を見たい方は 八ケ岳の縄文文化 をクリックしてください。 また、滋賀県信楽のミホ・ミュージアム開催された 土偶展 はここです。

邪馬台国大研究/博物館めぐり/東京国立博物館・2018年縄文展