■蛭子山古墳(えびすやまこふん:加悦町古墳公園) 蛭子山古墳は、古墳時代前期につくられた大型前方後円墳で、丹後地方の大首長の墓と目されている。丹後地域に特有の、 丸い頭部を持つ丹後型円筒埴輪と呼ばれている埴輪を、墳丘のまわりに配する蛭子山1号墳は、全長145メートルの日本 海側3番目に大きな前方後円墳である。この埴輪は、丹後地域でも中期のある段階になると消滅してしまう。
■作山古墳(つくりやまこふん:加悦町古墳公園) 作山古墳は、5基の中型古墳から成り、古墳時代前期後半から中期初めにかけてつくられたもの。5基の古墳群全てを整備 し、一部には埴輪・葺石を完全に敷き詰めた、築造時より豪華ではないかと思えるような復元が行なわれている。公園内の はにわ資料館には丹後特有な埴輪などがあって、なかなか見応えがある。
■作山1号墳 全長36mの造出し付きの円墳(円部の直径28m、高さ4m)で、造出し部は損壊激しく、推定で長さ8m、幅9m。造 出し部分に、5号墳が築造されている。円丘部の中央部分に墓壙があり、その内部に副室付組合式石棺が備わっていた。1 号墳の副葬品は以下の様になっている。 石棺内 成人男性遺体1体、変形四獣鏡1、碧玉製石釧2、玉類は約500。 副 室 鉄剣12、鉄刀子4、鉄斧2、鉄鎌2。 周 囲 15基の埴輪棺・木棺墓。
■2号墳・・・直径28m、高さ3.5mの円墳。 ■3号墳・・・一辺17m、高さ2mの方墳。 ■4号墳・・・全長30m(後円部径18m・高3m/前方部長12m・高1.5m)の小型前方後円墳。 ■5号墳・・・一辺13m、高さ2mの方墳。1号墳の造出し部分の上につくられている。
作山古墳群、蛭子山古墳は、丹後型円筒埴輪の出土が多い事が特徴である。丹後型円筒埴輪とは、立命館大学教授の和田晴 吾氏が命名した名称で、丹後の一時期にだけ盛行した、丹後地方独特の特殊な埴輪である。