案内が来ていたので、ぶらりと近所の吹田市博物館へ「博物館トーク《なるものを聴きに行った。講演会ではなく「トーク」 となっているのは、どうやら「講演」と呼べるようなしろものではなく、調査結果の途中報告と言った感じの報告会だから という、博物館の謙遜がなせるネーミングのようだった。題目は「8世紀の吹田」である。歴史上の吹田の8世紀は、殆ど 文献上には登場せず、もっぱら考古学上の窯跡の発掘結果から、後期難波の宮や長岡京などで使った瓦の生産地としての特 徴である。廃寺となった近畿圏の多くの寺にも、ここで焼いた瓦を提供していたようである。もしかしたら官営の瓦工場が 吹田だったのかもしれない。