A travel sketch in Kyoto 青沼茜雲氏・京都訪問記


	
	平成15年(2003)11月30日、京都の西本願寺で「京都・無限展」という展覧会が行われた。青沼先生はここの会員
	らしく、3点の絵画を出品していると言うので、この日2人の随行者の方と来京された。連絡を受けたので早速面会に行
	った。それに、今回の出展作品の一つに、パリ・ルーブルの「美の革命展」でグランプリを受賞した「日本の舞楽」が展
	示されているというので非常に楽しみだった。この作品はそのグランプリ以外にも多くの賞を受賞していて、オランダの
	何とか言う有名な賞も受賞したそうである。夏にお会いして3ケ月振りの再会だ。

京都・西本願寺 2003.11.30











	
	会場へ着くと、先生は美術関係者に取り巻かれていてカメラのフラッシュを浴びていた。その脇に、いつか先生から頂
	いた資料に載っていた外人さんが立っていて、しきりに先生と話し込んでいる。「先生は英語かフランス語が出来るん
	だろか?」と思って近寄ったら、「そうですもんね。」と、まるっきりの筑後弁だ。外人さんのほうがペラペラの日本
	語を話していた。「いや、この赤といい、金・銀といい、ほんとに素晴らしいですね。」「いや、どうもどうも。」

 

 

	
	「先生!」「あー井上さん、どうもどうも。わざわざすみませんね。」「いえいえ、この絵を見るのが楽しみで。旅は
	どうでした。」というわけで、先生の絵の前で記念撮影。




	
	上が、フランスはパリの、ルーブル美術館「美の革命展」に出展されてグランプリを取った作品、「日本の舞楽」であ
	る。いかにもヨーロッパ人達が好みそうな画材だとは言いながら、いつもながらの茜(あかね)色が見事である。金箔
	もいい。書いてある文句は何だろうかと思ったら、北九州地方の祝い歌の文句だった。










	
	会場の受付幟の前で。先生は、夜のレセプションには参加しないし、この後はフリーだと仰ったので、じゃ嵯峨野でお
	昼をご一緒しましょうと、嵐山へご案内した。昨日は、何年ぶりかという30時間ぶっ通しの雨が降り続き、紅葉もだ
	いぶ散っていたが、さすがに嵯峨野だ。今年は紅葉が今ひとつという声をアチコチで聞くが、ここではまだまだ見事な
	紅葉が盛りだった。







 



 





	
	ひととおり嵐山をご案内してタクシーに乗ったら運転手さんが、紅葉の穴場をご案内しましょうか、というのでお願
	いしたら、この「覚雄山・鹿王院」へつれてきてくれた。渡月橋付近の混雑と違って、ここには人一人いない。苔む
	した庭に赤や黄色の紅葉が映えて、それは素晴らしいところだった。京都に憧れ大阪に住んで30年、京都の名所で
	行った事の無いところはもう無いかなと思っていたがとんでもなかった。まだまだ京都は奥が深い。

 







 

	
	青沼先生は、今ちょうど紅葉を題材にした絵を書こうとし始めたところだそうで、「こんなすばらしい紅葉が見れて
	良かった。」と嬉しそうだった。九州には、こんなに真っ赤に染まる紅葉は少なく、殆どが黄色で葉も大きい。近畿
	圏の紅葉は赤や黄色や緑など、色とりどりで、秋の山々はほんとに綺麗である。






	
	名古屋の有名なチャイナボーンの会社ノリタケが、青沼先生の絵を白磁陶板にした。日本の四季「春爛漫」だ。さぞ
	綺麗だろうなとは思うが、1枚30万円とは! 庶民にはゲゲッというような値段だ。来京まえは名古屋にも行くよ
	うな事を仰っていたが、今回は断念されたようで、嵯峨野から直接京都駅へお帰りになった。