作品ギャラリー その他の作品群
ここでは、古代史とは特に関係ないが特に私が気に入っている作品を2,3点紹介してある。公式HPには他にもたくさんの
作品があるので、是非そちらも訪れて頂きたい。



青沼茜雲という画家は、見方によってはまた非常にわからない画家でもある。例えばこの上下の絵を見比べて欲しい。この
2枚は、これだけ並べて置かれたらとても同一人物が描いた絵とは思えない。特に下の「柳川に遊す」などは、冒頭の「月
下惜桜」とはまるで違う人が描いた絵のようだ。この作者にはヨーロッパを題材にした絵もたくさんあるのだが、日本を描
いたものは、その取り上げている題材のせいか、間近でキャンパスを見なければ日本画と間違えるようなものも多い。その
中でも下の絵は、これは殆ど墨絵ではないか。デッサンならわからなくもないが、同じシリーズ(日本の四季)の作品とし
ては非常に不思議である。
しかしよく考えてみれば、何も作品全部を同じパターンで統一する必要はないのだ。クラシック奏者がJAZZを演奏しても別
段かまわないではないかという視点に立てば、これはこれでおもしろい試みなのかもしれない。


アトリエで製作中の青沼茜雲氏。



一連の青沼茜雲氏の作品を見てくると、洋画という手段を用いて自己表現をしてはいるが、この人はものすごい日本的
な、それも、生まれ故郷や育った街々から逃れられない、言い換えれば郷土愛がすこぶる強い人なのではないかと言う
気がする。たとえパリの空の下にあっても、スペインで灼熱の夏を過ごしていても、TVスタジオで美人アナウンサー
の質問を受けていても、この人は絶えず「あぁ、早く筑後へ帰りたいなぁ。」と思っているのではないだろうか。

