Music: A Taste of Honey

ミホ・ミュージアム 2001.3.21 & other days



春分の日・紫香楽宮の帰りに



	信楽の町で昼食後、帰路にある「ミホミュージアム」によった。もう5,6回は来ただろうか。この美術館は、古代文明発祥の
	地から集めてきた、いわゆる「古美術」の美術館である。 某宗教団体が母胎で、美術館エントランスの窓から、谷を隔てて
	向いの山にこの団体の礼拝堂が見えている。 私個人はこの団体とはなんの関係もないが、展示されている美術品のすばらし
	さに惹かれて、毎年今頃になると出かけてくる。
	古代エジプト、メソポタミアに始まり、エーゲ海文明、インダス文明、古代中国と、歴史好きには涙が出るような 美術館で
	ある。「よくもこんなものを!」と思うような出土物等が目白押しで、いつまで見ていても飽きない。 この美術館は、日本
	国内よりむしろ海外で有名でその為か見学者も外国人が多い。ルーブルの別館を設計した I.M.ペイが設計したと言う白亜の
	建物が、霧深い深山幽谷の中に溶け込んでいる。



<同館発行のパンフレット表紙写真より>

 

 


	この美術館は見学客を美術館へいざなうためにトンネルを2つ堀り、谷に吊り橋を架けた。駐車場のあるエントランスから
	電気自動車が美術館まで運んでくれるが、勿論歩いた方が気持ちがよい。上がその電気自動車で下左が吊り橋。下右が美術
	館の正面入り口。



正面入り口を入ると真正面にガラス窓があって向こうの谷や山々が見え、
松ヶ枝がまるで一幅の山水画のように窓の中に収まっている。

 







古代ガラス展

	たまたま特別展は、「古代ガラス −エジプトから中国へ−」(2001.3.15〜2001.6.10)だった。私は古代史ファンとして、
	また古代ガラス鑑賞愛好家としての興味を惹く催しを開催していたのも嬉しかった。以下、その中から幾つかを紹介したい
	と思う。

 

 

 



 

 













 






	何といううつくしさだろうか。
	これらを見ていると、人間の営みとその感受性の豊かさに感動してしまう。人間とはなんと素晴らしい生き物だろうかと思
	う。常設展も勿論驚くような展示物ばかりである。日本の茶器や掛け軸もある。そのあまりの素晴らしさに、海外の博物館
	・美術館から貸出依頼が絶えないと言う。




常設展

  















 

 

 

 

 

 







 




	仏立像 ガンダーラ 2世紀後半 片岩

	ガンダーラは歴史的に民族、王朝の激しく交替してきた地域で、今から1700年以上前、クシャーン朝インドとササン朝
	ペルシャとの抗争の狭間で小国に引き裂かれた。この大きな仏像はその頃、人々の救いを祈願して、釈迦像を具現化して造
	られたものではないかと思われる。ガンダーラ美術の作り上げた最も大きな仏像の一つである。






	JR東海道線「石山駅」からテイサンバスに揺られて約50分。緑深い湖南アルプス・信楽の山中にこの美術館は佇んでい
	る。年4回程の特別展以外は閉館しており、冬の、雪に埋もれたこの美術館を見てみたいと思うのだが、交通機関も無いの
	では行きようがない。冬、一度車で通った事があるが、チェーンを付けても滑って往生した。






盗品と判明した仏像を中国へ「寄贈」 滋賀の美術館 <Asahi.com 2001.4.16(?)>

	滋賀県信楽町の私立美術館「ミホミュージアム」(井上裕雄館長)が所蔵している中国の仏像が盗品だったことがわかり、
	井上館長は16日、同美術館で、仏像を無償で中国側に寄贈する文書を中国国家文物局の担当者と交わした。同美術館は
	「仏像の購入について、法的に非がないと中国側から認められたが、今後も中国と友好関係を保つことを重視し、寄贈す
	ることにした」と話している。
	同美術館によると、中国側に寄贈されるのは6世紀に造られたとみられる石灰石製の「菩薩(ぼさつ)立像」(高さ約1.2
	メートル)。宝冠に付いたセミの飾りが特徴という。
	95年7月、同美術館はスイスの美術商を通じて英国・ロンドンの美術商から約1億円で購入。しかし、98年に同美術
	館の学芸員が、日本人学者からこの仏像が中国で行方不明になっているものと特徴が一致するという情報を得て調査を開
	始。昨年8月には中国国家文物局から、山東省の文物管理所が保存していたこの仏像が94年、盗難に遭って盗難届が出
	されたが、盗難届も紛失し、国際的な手配をしていなかったという説明を受けたという。
	同美術館によると、この仏像の所有権は法的に守られていると主張している。だが、今後も中国側と協力して美術展を開
	く計画もあり、寄贈に踏み切った。この仏像は中国側からの「お礼」として、07年末まで同ミュージアムで展示すると
	いう。(11:43) 




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