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沖の島・祭祀遺跡
2000.2.6 福岡県・宗像大社神宝館






	宗像大社
	
	宗像大社は、別名「道主貴」(みちぬしのむち)といい、「貴」(むち)とは神に対する最も尊い呼び名で、すなわち宗像
	大社は最高の道の神であると日本書紀に記されている。大陸・半島と九州・山陰を結ぶちょうど通過点にある「沖ノ島」が、
	古代から交通の要所としての位置を占めていたことがわかる。人々は道の神様として古代からこの宗像大社を信仰してきた
	のである。大社には千数百年前に交通祈願のために奉納されたとみられる人形(ひとがた)、馬形(うまがた)、船形(ふ
	ながた)と呼ばれる石の形代(かたしろ)が残っており、国宝として現在も保存されている。遣唐使も大陸へ渡る際、航海
	安全を祈って必ずここに参拝したと言われている。現在もこの大社は交通安全の神様として有名である。



 

 


宗像大社正門


 


宗像大社本殿







	沖ノ島祭祀遺跡
	
	沖ノ島は玄界灘のまっただ中に浮かぶ周囲4キロ・高さ243mの孤島で、古代より航路の道標とされてきた神体島である。
	対岸の内地から海上約60kmにあり、韓国の釜山まで 145kmである。この島に人類が足を踏み入れたのは相当古く、縄文時代
	前期から末期・晩期に至る土器が出土しているし、弥生時代・古墳時代を経て歴史時代に至るまでの遺跡が存在している。
	現在までに約23ケ所の古代祭祀遺跡が発見されている。斎(祭)場は、岩上→岩陰→半岩陰・半露天→露天と4段階の変遷
	をたどり、4世紀から10世紀までの約 600年の長い年月の間、大和朝廷が鏡・金指輪・龍頭・唐三彩・馬具・奈良三彩など
	最高級の豪華な品々を奉納し、対外交渉にかかわる重要な国家祭祀を執り行ったと見られる。これらの遺跡からの発掘品は
	現在全て宗像大社神宝館に保管されているが、その総数は11万点とも12万点とも言われ、常時約1万点が展示されている。
	驚くべき事に、この12万点にも及ぶ出土品の殆どが国宝・重要文化財に指定されている。又、奉献品のなかには遠く中近東
	のペルシャあたりから運ばれたと見られる品々も多いことから、この遺跡は「海の正倉院」と呼ばれている。ちなみに、
	「地下の正倉院」と呼ばれているのは、奈良橿原市の「新沢千塚古墳群」である。





	
	古事記・日本書紀によると、天照大神の子供である三女神は天照大神から「歴代の天皇を助け、歴代の天皇からお祭りを受
	けるように。」との神勅を奉じて、国の守護神としての使命をおびて、三宮(さんぐう)に降臨したことが記されている。
	田心姫神(たごりひめのかみ)は沖津宮(沖ノ島)に、湍津姫神(たぎつひめのかみ)は中津宮(大島)に、そして市杵島
	姫神(いちきしまひめのかみ)が辺津宮(宗像市玄海町田島:内地)に降り立ったとされている。すでに「記紀」成立の頃
	にはここが祭祀場であった事を示している。写真を見てもこの「沖ノ島」はとても人が住めるような島ではない。山が、切
	り立った崖からまっすぐに伸びており、作物を育てるような平野は存在しない。唯一、現在も祭祀場として用いられている
	少し開けた場所があるが、縄文・弥生の遺跡もここに集中している。思うに縄文・弥生時代もここは神の島だったのではな
	いかと思われる。いったい縄文人・弥生人達はどのような思いで海上60kmも丸木船を漕いでいったのだろうか?









 

 

 



 











 

 





























 





 





 















 











 









 

   




3階宗像大社文書


ここは写真撮影禁止であった。三十六歌仙の奉納画や宗像大社文書が展示されていた。



 





	
	宗像大社神宝館へは、JR博多駅から鹿児島本線で門司港方面行きに乗り約20分(各駅停車)、「東郷」駅で降りる。ここか
	ら神湊」(こうのみなと)行きか、何とか団地行きのバスに乗り(いくつかバス便があるので運転手に尋ねた方が良い)。
	約10分、「宗像大社前」で降りる。宗像大社(辺津宮)のすぐ脇にある。
	尚、現在「沖ノ島」は宗像大社の持所であり、一般人は島へ渡る事はできない。年に一度だけ日本海海戦の戦勝記念日に
	「沖津宮現地大祭」が開催され、宗像大社が参加者を募って島への一般人の立ち入りを許可している。宮司の話では毎年参
	加者は、山へ登って日本海海戦の場を眺めに行く者、遺跡の見学に行く者、すぐ宮社で食事をする者の3グループに分かれ
	るそうである。募集人員は多くないので宣伝はしないでくれとの事なので、日時や応募方法は書かない。
	又「沖ノ島」は女人禁制である。沖津宮、中津宮には今も一人宮司が常駐しており10日交代で勤務する。「沖ノ島」には人
	はこの宮司しか居ない。「大島」には「神湊」から一日6,7便の船を利用して渡る事ができる。25分とパンフにある。






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