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京都府長岡京市・向日市 歴史倶楽部第29回例会 NO.1



	早いもので歴史倶楽部例会ももう29回を迎えた。今回は東江氏案内による「長岡京市散策」である。文字通り平安京へ都が
	移る前の「長岡京」があった所である。長岡京は、昭和29年から始まった発掘調査(現在も部分的に継続中)により、平安
	京とほぼ同じ規模を持った都である事が確認された。条坊制によってきちんと区画割されており、範囲は現在の向日市、長
	岡京市、大山崎町と京都市の一部にまで及んでいる。早良親王の死とその怨霊による祟りから逃れるため、桓武天皇はたっ
	た10年でこの都を捨て京都へ行くが、調査の結果から平安京の礎を築いた都であった事が判明した。

	今回の参加メンバーは、服部、東江、河原、栗本、西本、松田、井上の各氏。JR長岡京市駅は、以前は「神足」(こうた
	り)という名前だったが、近年「長岡京市駅」と改名した。

	阪急電鉄「長岡天神」駅に集合。ここから長岡天満宮までは歩いてすぐである。10分もかからない。菅原道真が太宰府へ左
	遷される前に訪れた。明応7年(1498)の棟札が残っており、それには応仁の乱により社殿が壊れたので建立したと書いて
	あるそうだ。江戸時代になって、この長岡一帯は八条宮(桂宮)智仁親王の領地となり、社殿も改築され天満宮も賑わうよ
	うになった。現在の社殿は昭和16年に平安神宮から移築されたもの。

 

八条池は、元からあった灌漑池を八条宮智忠親王が寛永15年(1638)に掘り広げたもの。現在池には観月橋が巡らされている。

 

 


	社伝によると、菅原道真が太宰府へ向かう途中この地で名残を惜しみ「我が魂長くこの地にとどまるべし」と言ったそうで
	ある。道真の没後お供をした旧臣中小路・東小路・西小路氏が京都に帰り、道真から貰った自作の木像をこの地に祠を建て
	て祀ったのがおこりという。境内には道真公の歌が刻まれた石碑が建てられている。

うみならず たたへるみずの そこまでも
きよき こころは つきぞ てらさむ

 

普段は閑散としている天満宮だが、今日は折からの七五三参拝客がちらほらだった。

 

写真では余り目立たないが小さな紅葉が1本、真っ赤に紅葉して1本だけすっくと立っていた。
あまりにあざやかでけなげだったので思わずカメラを向けてしまった。まるで若い頃の私のような。

   

 



寂照院は海印寺十院のひとつ。海印寺は9世紀はじめに僧道雄(どうゆう)が華厳宗を学び、国家を守る道場として建てたのが始まり。華祥4年(851)年には国から毎年決まった援助を受けるなど、国家や皇室の庇護の元におおいに栄えたが、平安時代中期以後は衰え、後期には摂政家藤原基房の寺となった。鎌倉時代に入り僧宗性(そうせい)が復興に努めるが、やがて衰え寂照院が海印寺唯一の寺となった。仁王門左右には康永3年(1344)に造立された木像の仁王像がたつ。
又この寺は我が国における孟宗竹(もうそうだけ)の発祥地とも言われている。中国江南地方原産の孟宗竹を、1227年中国の禅僧道元が日本にもたらしこの地に植えたという言い伝えが残っている。真偽のほどはもう確かめるすべもないが、乙訓地方は今でも有数の「たけのこ」の名産地であり、大阪で旬の頃に食べるとえらく「たけーのこ」(?)


院のすぐ裏に走田9号墳(海印寺古墳)がある。7世紀はじめの円墳で石室は石材を組み合わせた家型の石棺が置かれていた。この石棺は現在、長岡京市立埋蔵文化財センターの入り口に置いてあるが、古墳は補修処理がされて公開されている。



 

 

 

 


★ 長岡京市立埋蔵文化財調査センターを見学 ★


 


	光明寺は西山浄土宗の総本山である。法然の元で出家した熊谷次郎直実(くまがやじろうなおざね)が建久9年(1198)に創
	建。法然が極楽往生を最初に説いた浄土宗根元地と言われる。



紅葉の名所。折からの紅葉祭りとあってさすがにすごい人だかりだったが、
真っ赤や黄色の紅葉は実に見事だった。自然はほんとに偉大である。



 



 

  

  

早良親王は兄の桓武天皇に謀反の疑いをかけられてこの乙訓寺に幽閉される。我が子に皇位を譲りたい天皇は、
異例の早さで早良親王を処刑してしまう。その後この都には異変が続き、天皇はついに都を捨て京都を目指す。

 

 

 

弥生時代の「神足遺跡」跡は今小学校になっている。

   


	歩いている途中に発見した「神足さんち」。驚いた。
	近所の人に聞いたらこの1軒だけだという。上がって話を聞きたかったが迷惑かもしれないと思ってやめにしたが、世が世
	ならこの辺りの王様かもしれない。

 




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