伊場遺跡はJR浜松駅の南西約2.5km、三方原台地南端の古い時代の砂丘上にある。遺跡の大きさは東西に約300m、 南北約180mと推定され縄文時代から鎌倉時代まで継続的に集落が営まれた「複合遺跡」であることが確認されてい る。しかし、すでにJR浜松工場などの建物群が周辺に立ち並び、遺跡の全容は明らかになっていない。特筆すべ きは弥生時代で、静岡県西部を代表する集落群が発見されている。 さらに奈良・平安時代の役所跡(遠江国敷智郡の郡役所?)と考えられる遺跡も出土して全国の注目を集めた。 現在遺跡は公園として整備され、資料館もすぐ側に建っている。
このよろいは出色の遺物として有名である。柳の大木を削って模様を刻み、漆を使って赤と黒に塗り分けてある。 1点は胸当てで、湾曲した板の上に精密な彫刻文が刻まれている。表面全体に丹を塗り、さらに部分的に黒漆が塗 ってある。もう1点は背当てで、下に向けて反り返る羽ような形状だが彫刻文は一層複雑になっている。短甲状木 製品の出土は全国でもこれが始めてで、その後もこれほど装飾性の強いものは出土していない。木製、装飾性から 見て、実用のよろいではなく何か祭祀用に用いられた物ではないかと考えられる。
浜松市伊場遺跡資料館 JR浜松駅北口から遠州鉄道バス「宇布見・山崎」行きで「商工会議所」バス停下車、徒歩10分。 〒432-8036 静岡県浜松市東伊場2丁目22-1 TEL 053-454-1485 開館:AM9:30〜PM5:00 休館:月曜・祝日の翌日 観覧料:無料。