羽咋の町にどうしてこんな建物がと最初思ったが、羽咋市は知る人ぞ知る「UFOの町」として有名なのだそうだ。羽咋市 の正覚院(しょうかくいん)と言う寺に伝わる「気多古縁起」(けたこえんぎ:上左)という文献には、神力自在に空を飛 ぶ物体が登場する。また市域に伝わる昔話に、「もしやUFOではないか」と思われるものも登場している。「そうはちぼ ん」という話の中には、そうはちぼんが羽咋市の北にある眉丈山(びじょうさん)の中腹を、夜な夜な怪火を発して飛んで いたというのである。「そうはちぼん」とは、仏教で使われる仏具の事で、楽器のシンバルのような形をしている。両手で もって「ジャーン」とならすあれである。両手の2枚を重ね合わせて横から見れば、どうみてもこれは「空飛ぶ円盤」だ。 また眉丈山周辺では、「ナベが空から降ってきて人をさらってゆく。」という神隠し伝承も残っているという。 これらの話からここ羽咋では、大昔からUFOが飛来していたのかもしれないという事になったのである。市内には「UF Oラ−メン」や「UFO饅頭」など、UFOにちなんだ土産物やオブジェが立てられ、とうとうこんな博物館まで建ててし まった。しかし中を見学すると、本物のアポロ探査船などがあって、展示物はマヤカシどころか立派な科学博物館なのであ る。UFO談義は置くとして、宇宙や宇宙船に興味のある人々にとっては見ていて飽きない博物館になっている。