歴史倶楽部の西本さんからこの展覧会に行こうというお誘いがあった。一昨年和歌山市博物館、昨年大阪市歴史博物館と、 この展覧会は一応CHECKしているのだが、今年は京都の園部だったので、「こりゃちょっと今年は無理かな」と思っていた。 園部と言えば京都の山奥であるし、交通機関もなさそうに思えたのでなかば諦めていたのだ。 しかし、高槻に住む西本さんは、どうしても地元の今城塚古墳から出土した「日本一の」家型埴輪を見たかったと見えて お仲間を捜していたのである。ちょうどその日は、午後から歴史倶楽部の有志で映画「英雄:ヒーロー」を見に行こうと 言う事になっていたので、それに間に合うよう午前中で園部へ行くことになった。栗本さんと小川さんが同乗して、晩夏 の北京都を旅した。西本さんのおかげで、今年もまたこの展覧会をクリアーできた。園部文化博物館は、国際交流会館と隣り合わせにあって、国際交流会館の方は「園部城」を復元した(?)お城になって いる。周りは市民公園のようになっていて、でっかいカワセミの像があった。またお城の入り口には50mプールがあっ て、時間があれば泳ぎたいくらい綺麗な水が満タンだった。![]()
以下が今年の(2002年度に)、発掘された出土品の説明と、遺跡の位置。会場の説明によれば、毎年8千〜1万件が発掘 されており、日本全体で遺跡の数は15万ケ所くらいあるという。栗本さんが「井上さんが幾らがんばっても、こら全部 は見れんね。」と笑う。もっともだ。こんな数なら研究者でも、どこで何が出土したかを把握するのは難しかろうという 気がする。 今回の展覧会は、写真撮影が「ノンフラッシュでOK」という画期的な展覧会になっていた。通常、進歩的な博物館でも、 こういう特別展はまず間違いなく「写真撮影禁止」なのに、ここはOKである。文化庁主催のこの展覧会の歴史でも、こ れは初めての事ではないだろうか。驚いてしまった。一応デジカメは持参したが全く期待していなかったので、感激して 撮りまくった。しかし近接撮影が苦手な私のデジカメなので、写りはあまり良くなかった。![]()
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文化博物館前のビニールハウスの前で記念撮影。しかし小川さんも熱心やね。
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大阪府高槻市の闘鶏山(つげやま)古墳での、ファイバースコープによる調査状況をビデオで流していた。ここはまだ 発掘されていないが、三角縁神獣鏡が副葬されている事が分かっているし、今後の発掘調査が楽しみだ。 隣には触って確かめる土器の感触、というコーナーがあったし、この展覧会はずいぶんと進歩的だった。やっと日本の 博物館も文化的になってきたという気がする。「写真撮影禁止」を掲げている博物館に出会うと、ほんとに文化を伝え たいと思っているのか疑問に思ってしまう。単なる行政機関としての役割しか認識していないような博物館・資料館は まだまだ多い。そういう意味でも、今回のこの博物館の試みは高く評価されていいと思う。ほんとに来て良かった。 西本さん、ありがとう。
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「2003年展」の資料を買い、園部文化資料館を後にして大阪の梅田へ戻った。阪神百貨店の前で、橋本、錦織、新開 さんが待っていた。映画「英雄」は最高だ。あんなに綺麗な画面を持った映画は初めて見た。登場する剣や銅戈やその他 の武器・馬具・備品等も、忠実に「秦」の時代のものを再現していた。みんな博物館に並んでいるような物ばかりだった し、CGもマトリックスなどよりはるかに自然でドラマチックだ。この映画はまだ2,3回見たい。![]()