なんばから近鉄電車に乗って各停で20分ほど、「瓢箪山駅」で降りて、南へ10分ほど歩いた所にある。私は30年ほど 前、初めて大阪へ出てきたとき、この周辺に住んでいた。田舎から母親が寮へおくった布団一式を、この駅へ取りに来た覚 えがある。すぐ側に花園ラグビー場があって、よく見に行ったものだ。東大阪には1年しか住まなかったが、懐かしい町で ある。 この駅に東大阪市の郷土資料館があって、99年に見に来て、その様子は「博物館めぐり」に入れてあるが、ここに埋蔵文 化財センターがあったとは知らなかった。先日「鬼虎川遺跡」の現地説明会を見に行った時、いろいろ話をした東大阪市の 職員の方からここを教えて貰ったのだ。ぜひ行ってみて下さいと言われたので、連休の谷間を休んで訪問した。
駅のホームに「楠正行の墓」と書いた石柱が立っていた。「え、何で墓が駅のホームに?」と思ったが、どうやら楠正行の 墓はここで降りるのだよ、と言う意味のようだ。小楠公の墓がここにあったとはしらなかった。四条畷だとばかり思ってい たが。 1.青葉しげれる桜井の 里のわたりの夕まぐれ 木下陰(このしたかげ)に駒とめて 世の行く末をつくづくと 偲ぶ鎧の袖の上(え)に 散るは涙か はた露か 2.正成涙を打ち払い 我が子正行(まさつら)呼び寄せて 父は兵庫に赴かん 彼方の浦にて討ち死にせん 今しは ここまで来つれども とくとく帰れ故郷へ 3.父上いかにのたもうも 見捨てまつりて我一人 いかで帰らん帰られん この正行は年こそは 未だ若けれ諸共に 御供(おんとも)つかえん死出の旅
駅を出て、商店街の中を2,3分歩くと稲荷神社にでる。この神社そのものも古墳のようだ。郷土資料館へは、この神社の 裏からエライ坂を登っていく。山上付近に山畑古墳群があるので、その側に郷土館を建てたようだが、そこまでたどり着く には延々と急坂を上り続けなければならない。あの坂はしんどかった。