Sound: Ask me Why ?
地方博物館見学記
1998.8.17
この博物館には計画して来たわけではない。夏休みの帰省の帰りに、Wifeが四国の内子焼と地方舞台の内子座を見に
行きたいと言うし、私も出来たばかりの明石大橋を渡ってみたかったので、帰宅ルートを四国周りにしたのだ。
そのついでにこの博物館にも寄ってみた、というわけだ。ご覧頂けば一目でわかるが、ここは実に簡素である。まる
で町の公民館に遺物が展示してあるような感じだ。一連のホームページの、例えば「福岡博物館」と比較して欲しい。
あちらは福岡市立、ここは愛媛県立である。この差は一体何なのだ。あまりにも違いすぎる環境。その原因は幾つか
考えられる。
勿論第1は経済力である。遺跡・遺物の多さは当然福岡の方が群を抜いているだろうが、古代人々が生活していた痕
跡は、少なくとも縄文・弥生あたりはさほど違いはしない。しかしそれを発掘・整理し体系化する力も福岡の方が勝
っているのだ。第2は文化力である。そして第3は行政力であろう。しかし第2、第3の原因は結局第1の「経済力」
に起因するのだ。つまり平たく言えば金がないのである。
誤解しないでいただきたいが、私は何も愛媛博物館(歴史民俗資料館)や愛媛県を馬鹿にしたり哀れんだりしている
のではない。「地方」と「中央」(とそれに近い大都市)との、あまりにも大きな文化度の格差を問題にしたいのであ
る。勿論、愛媛県も同様であるが地方にも学問の府や研究機関は存在するし、大規模な発掘や調査には中央の支援を
仰ぐ事ができる。しかし今日、その成果をまとめて整備し、広くその地域住民の文化度向上に供するには、莫大な経
済力を必要とするのだ。「地方」が死につつあるのは経済だけではない。「文化」と「文化施設」も同様である。
この博物館を見ていると強くそう感じる。
こういう展示の仕方を見ると、保存処理はキチンとしてあるのか不安になる。
開館時間
午前9時40分〜午後6時
休館日
月曜日・祝日(日曜が祝日の場合は開館、火曜日が休館)
年末・年始(12月28日〜1月5日)
毎月末日(但し、土・日・月に当たる時は繰り上げ)
入館料
無料
住所・TEL番号
〒790 愛媛県松山市堀之内 愛媛県教育文化会館5F
TEL 0899-31-6393
交通案内
JR松山駅より徒歩15分、市内電車、
市内バスで南掘端下車、徒歩2分。
伊予鉄市駅より徒歩10分。専用駐車場なし。
邪馬台国大研究・ホームページ/ INOUES / 愛媛県立歴史民俗資料館