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馬韓の旅
国立全州博物館
2004.11.21(日)

全羅北道の道庁所在地の全州市は、李氏朝鮮の太祖・李成桂が1393年に国名を朝鮮と改め、翌年都に定めたところ
である。肥沃な湖南平野の穀倉地帯にあり食文化が花開いた。韓国料理ビビンパプの発祥の地といわれている。

ホテル食堂横のテラスから光州の街を眺める。ちょうど夜明けの太陽が山の端から顔を出すところだ。




金箸袋。韓国では木材は貴重なので箸も金属になった。洗って何度も使うため、袋には後ろに箸を差し込む穴がある。


光州のホテルを8時に出て、全州まで1時間ほどドライブ。9時の開館に合わせて博物館をめざす。全州国立博物館は、
全羅北道の歴史と文化が総合的に展示されており、馬韓や百済時代の出土品も多く展示されている。例によって館内は
撮影禁止だが、そんなものに負ける筑前さまじゃないわい。
韓国の国立博物館の入館料はめちゃくちゃ安い。TVや電子機器などは日本と余変わらないが、スーパーやコンビニで
売っている日用品など、日本のほぼ半額である。光州国立博物館も全州博物館も400ウォン、40円である。大阪市
歴史博物館の15分の1だ。









まるっきり、日本の古墳からの出土品を見ているようである。

しかし以下の甕棺を見ると、あ、ちょっと違うなと思う。甕を使った墓制は一緒だが甕そのものは地方色がある。











上右端の、一番右の瓶に張ってあるものは靴下である。「不浄の者近づくべからず!」の印だそうだ。






建物屋外に置かれた遺物の中に、貴重な横穴式石室が移築され展示されている。益山で出土した平斜式天井の横穴式石室
である。他にも数基の横穴式石室が移築されているが、韓国の横穴式石室はいずれも小型である。日本のような巨石を用
いた巨大な石室はないようだ。日本にある渡来系の石室と言われる、滋賀県の百穴古墳群などは大きさもほぼ一緒で、石
材の積み方などもよく似ている。やはり伝承通り百済人の墓なのだろう。
館内の展示も非常に充実していたが、図録がないのが残念だ。あればハングルでも買って帰るのだが、どうやら図録その
ものが発行されていないようだ。国立なのにずいぶん他とはちがうようだ。予算がないのかな。

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