【礼安里(れいあんり)遺跡】
金海から釜山へ向かう街道筋にあり、所在地は韓国慶尚南道金海市大東面礼安里。当初運転手さんは通り過ごして
しまい、さんざん聞きまくって引き返し、道端に大きな看板を見つけた。
発掘された一帯は柵で仕切られており、すぐ裏手が乳牛の牧場らしく臭気が漂いハエが飛び回っていた。4世紀か
ら7世紀にかけて営まれた古墳群で、洛東江の西にそびえ立つ白頭山の南麓に位置している。
ここから発掘された 4-7世紀にわたる250体の遺体は、三国古墳時代人の形質を知る上で重要な遺跡となっており、
それによれば、男性164.7cm、女子150.8cmという身長数値を示している。またこれは、日本の北九州弥生時代の遺
跡群(金隈、土井が浜、吉野ヶ里等)のかめ棺から出土する人骨とその数値が殆ど同じである事が確認された。
ちなみに、福岡市金隈(かねのくま)遺跡から出土した人骨から割り出された平均身長は、男性163.7cm、女性
151.3cmである。日本人の平均身長は、この後第二次大世界戦前まで、一貫してこの弥生人達のものが一番高い。
戦後は勿論急速に伸びていく平均身長だが、それまでの我が国では、弥生人が一番高い身長を持っていた。これが
一体何を意味するのか、非常に興味深いテーマである。
またこの遺跡は、新旧墳墓が層をなしているため、埋葬主体・出土遺物の編年に役立つ遺跡としても重要な位置を
占めている。
ここから出土した遺物は金海博物館や慶州博物館にも展示してあった。この遺跡は日本でも学会では有名である。
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