2010年夏 フランス紀行 2010.7.8 フルヴィエール・古代ローマ劇場



	
	2010.7.8(木)晴れ

	<フルヴィエール・古代ローマ劇場> (Theatres Romains de Fourviere) 

	フルヴィエール・古代ローマ劇場 ( Theatres Romains de Fourviere) は、古代ローマ時代の劇場。紀元前43年に建設されたとさ
	れ、半円形の野外劇場である。石積みの遺跡が2千年の風雪に耐え、生き残っている。現在でも各種イベントで、コンサートや演劇
	の上演、映画上映などに利用されている。収容観衆は、最高1万1千人という。毎年夏にはLes Nuits de Fourviere(フルヴィエー
	ルの夜)という恒例の催しがあり、この期間中には著名なアーティストのコンサートや演劇、ダンス、映画上映などが催されるが、
	開催期間は毎年異なり、ほぼ2ケ月ほど続くようだ。



	
	フルヴィエール教会から地図を頼りにこの遺跡をめざすが、最初入口がわからず、遺跡の側を通り過ぎて炎天下石畳の坂道を延々と
	登ってしまった。炎天下、坂道を登るのはきつかった。「おそらくこのあたりなんだが」。もともとあまり興味のないwifeは「えぇ
	ー、まだぁ」とか言っている。とうとう坂の一番上まで来てしまって、また引き返す。すると坂の真ん中辺りに上左の看板があって、
	「ガリア・ローマ文明博物館」への入り口はこっち、と表示している。
	日本では、市街地はいざ知らず郊外の博物館は、たいてい大きな遺跡の側に作られる事が多いので、「もしかしたら」と脇道へ入っ
	てみる。正解! 木々と丘に囲まれた狭い路の先に遺跡が見えている。大聖堂から南西へやや下った位置である。





木々の間から遺跡が見える。



	
	保存状態はまぁまぁ良かった。2千年前の遺跡だから、「良い」というのは語弊があるかも知れない。しかし未だに劇場として使用
	されているし、石と石の間にはセメントが入れられて崩れないように整備されており、それでいて石積みの原型は保っている。ロー
	マ人の足跡である。劇場の直径は108mという。
	しかしながら2千年の歳月は徐々に遺跡を破壊し、特に周囲の施設では崩れてなくなっている部分もある。だが絶えず修復、整備が
	なされていて、特に今も使われる劇場の観客席と舞台は綺麗になっている。













	
	ここは紀元前43年に建設された古代ローマ時代の円形劇場である。初代古代ローマ帝国皇帝アウグスティヌスの時代だ。フラン
	ス最大の野外ローマ劇場で、紀元前から現代まで残っている。今日も何かイベントが行われるようで、舞台中央には大きなステー
	ジが組んであった。観光名所であると同時に、リヨン市民にも使われている。



	
	イタリアのローマからやってきた人々は、このガリアの地でも自分たちの得意の技を発揮して、様々な建築物を残した。近くには
	小さな劇場や神殿、更にはローマ時代の街の遺跡もある。また、遺跡の隣にはガロ・ローマ博物館があり、ここにはフランスがロ
	ーマ帝国の支配下にあった時代の発掘品が所狭しと並んでいる。











	
	このリヨンの古代ローマ遺跡は、ローマのフォロ・ロマーノほどではないにせよ、かなりの規模のものだ。紀元前43年、リヨン
	はこのフルヴィエールの丘を発祥地として誕生し、以後も数世紀間、ローマ帝国の支配下、ガリアの一大都市として栄えた。
	劇場は古代ローマ時代のものだが、このリヨンを中心として古代末期から中世初期にかけて栄えたのが、ゴンドバルド王などによ
	って支配されたブルグント王国である。一時期はクローヴィス王のフランク王国と協力して西ゴート王国を撃ち破ったりもしたが、
	最後にはフランク王国に滅ぼされてしまう。その「ブルグント」の名前は「ブルゴーニュ」として残っている。



	
	ヨーロッパの遺跡はそのまま保存するのではなく現代に活用するところがよくある。この遺跡も夏季に行われるイベント「フルヴ
	ィエールの夜」で、コンサートや演劇の上演などに利用されることから、大きな照明装置が恒久的に設置されている。



2006年夏の夜、ここで映画会が行われた時の様子。























帰りはこの石畳の坂を下ってゆく。下から迂回して博物館へ行けるようになっている。