2010年夏 フランス紀行 2010.7.6 ニーム・円形闘技場



	
	2010.7.6(火曜)曇り


上はニーム市の裁判所。その隣に円形闘技場がある。大変よく原形をとどめている。











	
	円形闘技場

	市の中心部にあるローマ時代の円形闘技場。大きさはそれほどではないが、保存状態は世界でも最高クラスであり、現在も野外
	コンサート、オペラなどに使われている。またフランスでは珍しく闘牛も行われている。イタリアのコロッセオに比べると保存
	状態は完璧。全体がほぼ残っている。ローマのコロッセオと違い高さは2層しかない。ローマのコロッセオは主にレンガと天然
	コンクリートで出来ているが、こちらはずっしりとした石積みである。
	従来、紀元1世紀末の建築と言われていたが、最近の説では西暦90〜120年頃建造というのが有力らしい。建設当時は、2
	万1千人を収容した。フランス全土に20あまりの闘技場が発見されているが、ニームのものが一番保存状態がよい。ローマ帝
	国衰退後の中世には城砦に転用されていた。この中に住宅や教会が建ち、人々が住んでいた時代もあるのだ。

	上のトラックが、この日のコンサートのバンド用のものらしい。





上2枚の写真を結合したのが下の写真。





フランスでも、ここニームは闘牛が人気があるそうで、ここでも時々行われる。ニームで人気闘牛士だった人物のブロンズ像がある。





勿論何度も修復され続けているのだろうが、とても2千年前のものだとは思えないほどだ。





	
	座席取りの若い連中が闘技場を取り囲んでいる。座り込んで何か食べたり、ゲームに興じている。今夜のコンサートだというの
	にご苦労な事だ。洋の東西を問わず、若者の行動様式は同じである。それにしても、古代遺跡が今もこうして使用されているの
	には驚いた。日本では考えられない。古代遺跡の上で群衆が飛び跳ねるなど、文化庁が聞いたら卒倒するかもしれない。「遺跡
	など、いずれは風化してしまうものですからね。」と言っていた坪井清足氏の言葉を思い出した。



中へ入れなくて残念至極。野外コンサートのための客席が設けられているようだ。





円形闘技場の内部1



円形闘技場の内部2



円形闘技場の内部3

	
	ローマ帝国の植民地では、人々はまず町の真ん中に闘技場を作った。ここは紀元1世紀末の建築で、大きさは133mx101
	m、当時2万人以上の収容能力があったという。外壁は60のアーチが2層になっており、高さは、21m。内部は34段の階
	段席で、身分により場所が決められていた。13世紀この中に町が作られたが、19世紀になると闘技場として使用できるよう
	に整備され、1853年初めての闘牛が開催された。現在は冬の間、布で屋根を取り付ける。町の名物となっている闘牛のほか、
	オパラやジャズ・コンサートなどに使用されている。