2010年夏 ラスコー洞窟 7.3






	
	ラスコー洞窟	出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
 
	ラスコー洞窟(-どうくつ/Lascaux)は、フランスの西南部ドルドーニュ県、ヴェゼール渓谷のモンティニャック村の近郊に位置す
	る洞窟である。先史時代(オーリニャック文化)の洞窟壁画で有名である。
	ラスコー洞窟の壁画は、アルタミラ洞窟壁画と並ぶ先史時代(フランコ・カンタブリア美術)の美術作品である。これは1940年9月、
	ラスコー洞窟近くで遊んでいた近くの村の子供たちによって発見された。地下に長く伸びる洞窟は枝分かれし、壁画が集中してい
	る大空間などがいくつかある。洞窟の側面と天井面(つまり洞窟の上半部一帯)には、数百の馬・山羊・羊・野牛・鹿・かもしか・
	人間・幾何学模様の彩画、刻線画、顔料を吹き付けて刻印した人間の手形が500点もあった。これらは15,000年前の旧石器時代後期
	のクロマニョン人によって描かれていた。

	材料として、赤土・木の炭を獣脂・血・樹液で溶かして混ぜ、黒・赤・黄・茶・褐色の顔料を作っていた。顔料はくぼんだ石等に貯
	蔵して、こけ、動物の毛、木の枝をブラシがわりに、または指を使いながら壁画を塗って描いたと考えられる。この壁画には、古い
	絵の上に新しい絵が重ねて描いてある。絵画の空間としてはあまり意識せずに描いてある。

	無数の壁画がある内の1つ、黒い牛の絵の角に遠近法が用いられている。手前の角が長く描かれ、奥の角は手前の角より短く描かれ
	ている。そのほかの人・動物にも、遠近法が用いられている。
	かつては大勢の観客を洞窟内に受け入れていたが、観客の吐く二酸化炭素により壁画が急速に劣化したため、1963年以降から、壁画
	の外傷と損傷を防ぐため、洞窟は閉鎖された。現在は壁画修復が進む一方、一日に数名ごとの研究者らに応募させ入場・鑑賞させて
	いるほかは、ラスコーの壁画は非公開とされている。

	英名 Prehistoric Sites and Decorated Caves of the Vezere Valley 
	仏名 Sites prehistoriques et grottes ornees de la vallee de la Vezere 
	登録区分 文化遺産 
	登録基準 文化遺産(1),(3) 
	登録年 1979年 
	拡張年   備考 2006年に現在の名称に改称された。  
	公式サイト ユネスコ本部(英語) 



ラスコー洞窟のあるヴェゼール渓谷の光景











	
	林の中である。ここは、本物のLascou洞窟に似せて作ったレプリカの遺跡である。本物は、傷みを防ぐため、一部の研究者たちを
	除き一般には公開していない。しかしイミテーションとは言え、その規模には驚いた。洞窟全体を実物と全く同じように作ってあ
	るのだ。下の写真がホンモノのラスコー洞窟。ここからは数十m先にある。上の看板の示す方へ行けば、入口までは行ける。



これはホンモノのラスコ−洞窟の入口だが、ラスコーII も全く同じような入口だった。入口から似せて作ってある。







	
	Lascaux II となっているのはそういう意味なのか。I があるから II なんだな。

	偶然、森の中で中学生が穴に落ちた飼い犬を探していて発見された洞窟壁画。約2万年前に描かれた人類最古の絵と言われている
	有名な壁画である。当時のクロマニヨン人が描いたものと推定されているが、その躍動感溢れる動物たちの姿は、現代にも充分通
	用する写実的な表現であり、信じ難い程の完成度を持っている。
	永久保存の為に一般への公開は取りやめになった代わりに、11年の歳月をかけて。可能な限りの精密さで複元されたラスコーII。
	洞窟の形状は勿論のこと、絵の具や道具まで当時と同じ物を使い再現されたと言う。見事な出来映えである。



	
	洞窟の大きさや狭さや、勿論壁画も正確に模写して、殆ど実物と同じように作ってあると言う。洞窟への入場は時間制で、もう英
	語の解説は終わったので、後はフランス語の解説になるがいいか?と聞かれる。英語だろうがフランス語だろうが、どうせわから
	んのだからええよ、早く壁画を見たい。フランス人達に交じって開場を待っ。おそらく、この地方では東洋人を見ることはあまり
	無いのだろう、子供ばかりか大人も我々の方をちらちら見ている。フランス人(と思う)のお兄ちゃんが解説して、午後四時半ツア
	ーがスタート。





上のカマボコのようなドームの中が待合室。あの中の奧に洞窟への入口がある。





	
	尋ねたが撮影禁止といわれたので、こっそり携帯カメラで写そうとしたがカシャと音がしたので、慌てて携帯をしまった。いかん
	ねぇ、デジカメじゃないと。携帯が500万画素になって、以来デジカメを購入していない。おかげで最近は博物館での隠し撮り
	が出来ないので、そろそろ買わないとダメかも。
	以下、壁画の写真は、全て SHOP で購入した本からのSCANである。薄暗い中で写すより、こっちの方が綺麗かもしれない。



ラスコー洞窟の壁画








クリックすれば大きくなります。

	
	ラスコー洞窟の一番手前の部分には、実在しない想像上の生き物「一角獣」が描かれている。別の洞窟には、下半身は人間、上
	半身は鹿の姿をした半獣半人も描かれており、先史人たちの想像力には驚かされる。「神話の誕生」はそれら先史人の描いた壁
	画に端を発しているのかもしれない。上の絵、左端がその「一角獣」と言われているもの。












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	ここは凄い、驚いた。でっかいバイソンや大ツノ鹿が、凄い迫力で迫ってくる。岩の凹凸を利用して、レリーフのように描かれ
	たものや線刻画もある。しかも相当な距離に渡って復元してあるので、ここがレプリカの洞窟だという事をつい忘れてしまうほ
	どだ。それにしても動物たちの躍動感は素晴らしい。今にも走りだしそうである。これが二万年前の人間達が描いたものだとは
	とても信じられない。













	
	他にも馬や牛、勿論人も描かれ、中には、日本にはいなかったのではないかな、というような動物もいる。
	壁から天井にかけて、二万年前の動物たちでいっぱいだ。洞窟は長さや大きさも本物のラスコー洞窟そっくりに作られているが、
	それにしてもこんな奥の方に描いているのには感心する。見ながら描くのならわかるが、記憶力にたょってこんなに凄い絵が描
	けるだろうか。驚いてしまう。
	Wifeも「レプリカだというからあまり期待してなかったけど、こんなに本物そっくりに作ってあるとは思わなかったわ。素晴ら
	しい。」と興奮している。









	
	これは、この洞窟で唯一描かれている「人間」の図。バイソンに突かれて倒れているようにも見えるし、ただ寝そべっているよ
	うにも見える。下に鳥が描かれていて、この人間の顔も鳥のようにも見える。英語の解説では「mystery in this cave」となっ
	ている。





	
	ヴェゼール渓谷の先史的景観と装飾洞窟群(フランス)	出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
 
	アブリ・ドゥ・クロ=マニョン(fr:Abri de Cro-Magnon) 
	アブリ・ドゥ・ラ・マドレーヌ(fr:Abri de la Madeleine)

	ヴェゼール渓谷の先史的景観と装飾洞窟群。英語名: Prehistoric Sites and Decorated Caves of the Vezere Valley)は、
	1979年にユネスコの世界遺産に登録された、フランスの文化遺産物件の名称(2006年に改称)。ヴェゼール渓谷(Vezere Valley。
	ドルドーニュ県のレゼイジ=ドゥ=タイヤック=シルイユ[en]からモンティニャック[en]にかけての40kmほどの間に広がって
	いる地域)に点在する先史時代遺跡群のうち、ユネスコによって選定された重要性の高い物件の総称である。

	鮮やかな洞窟壁画で有名なラスコー洞窟や、クロマニョン人の骨が発見されたアブリ・ドゥ・クロ=マニョン(クロ=マニョン
	岩陰遺跡、フランス語:Abri de Cro-Magnon、英語:rock shelter of Cro-Magnon。日本では「クロマニョン洞窟」とも呼ばれ
	る岩陰遺跡[en:rock shelter、abri])、ネアンデルタール人が担ったムスティエ文化のアブリ・デュ・ムスティエ(ムスティ
	エ岩陰遺跡群、フランス語:Les abris du Moustier)などが含まれる。

	ユネスコ世界遺産の登録に当たっては、多くの考古学的景観や旧石器時代の洞窟絵画研究上最も重要なものの中でも、主に装飾
	洞窟 (decorated cave) に絞られた。世界遺産の登録の際には、147の旧石器時代の地層、25の装飾洞窟、この一帯で発見され
	たおよそ10万点におよぶ石器や骨角器などに言及されている。ただし、実際に登録されたのは以下に掲げるものだけである。

	登録基準 
	この世界遺産は世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた。

	(1) 人類の創造的才能を表現する傑作。
	(3) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。

	登録リスト

	 洞窟壁画のある遺跡群
	アブリ・デュ・ポワソン(ポワソン岩陰遺跡) (fr:Abri du Poisson)
	フォン=ドゥ=ゴーム洞窟 (fr:Grotte de Font-de-Gaume)
	ムート洞窟 (fr:Grotte de la Mouthe / en:Font de Gaume)
	コンバレル洞窟 (fr:Grotte des Combarelles)
	アブリ・ドゥ・カプ・ブラン(カプ・ブラン岩陰遺跡) (fr:Abri de Cap Blanc)
	ラスコー洞窟 (fr:Grotte de Lascaux / en:Lascaux)
	ルーフィニャック洞窟 (fr:Grotte de Rouffignac)
	ロック・ドゥ・サン=シルク (fr:Roc de Saint-Cirq)

	洞窟壁画のない遺跡群
	アブリ・ドゥ・クロ=マニョン(クロ=マニョン岩陰遺跡) (fr:Abri de Cro-Magnon / en:rock shelter of Cro-Magnon) 
	:日本では「クロマニョン洞窟」とも呼ばれる岩陰遺跡(英語:rock shelter、abri)。クロマニョン人の骨が発見された。
	ミコック (fr:La Micoque)
	ロジュリー=バス (fr:Laugerie-Basse)
	ロジュリー=オート (fr:Laugerie-Haute)
	グラン・ロック洞窟 (fr:Grotte du Grand Roc)
	アブリ・デュ・ムスティエ(ムスティエ岩陰遺跡群) (fr:Les abris du Moustier / en:Le Moustier) 
	:2箇所からなる、ネアンデルタール人のムスティエ文化の遺跡。
	アブリ・ドゥ・ラ・マドレーヌ(マドレーヌ岩陰遺跡) (fr:Abri de la Madeleine)







ネアンデルタール人遺跡の分布



クロマニョン人達が絵を描くのに用いた顔料と考えられている鉱石や赤土等。



洞窟からは、石器など考古資料もたくさん出土している。







	
	ランプは、このように加工して綺麗に仕上げたもの、自然石の窪みを利用したものなど100点あまり出土している。窪みに
	油を入れて、明るくして壁画を描いたのだ。そうだろうなぁ、こんな真っ暗な中では灯りが無いと何も見えんし。1万5千年
	前ですぜ、1万5千年前!


































大きく見るには、上の絵をクリックして下さい。


大きく見るには、上の絵をクリックして下さい。























	
	ツアーは兄ちゃんの照らす懐中電灯に導かれて奥へ奥へと進んで行く。時々電灯を壁や天井に向けて解説する。フランス語なの
	で理解は出来ないが想像は出来る。四十分程でツアーは終了。


洞窟の出口。上左の茶色のジャケットを着た兄ちゃんがガイド。


入り口から大分離れた所に出口があって、その周りに解説のモニュメントが設置してある。













	
	そこから林の中を通って入口近くのショップに寄る。日本語の解説本は無かったので、英語版の分厚くて大型の本を購入。A3版
	くらいで60ユーロ、約7、500円だ。洞窟の復元の様子や、壁画のでっかい写真がいっぱい。見た目のままの写真集をさがしたが、
	この本が一番良かった。何たって高いもんね。





帽子を買う前と後。別段、腹は引っ込んでいないね。





	
	洞窟内は撮影禁止だったので、この本の写真をHPに使おうと考えたが、さてこの大きさをどうしたものか。LascouX-Uと刺繍さ
	れた帽子も買った。大満足でホテルへの道を戻る。くねくねと曲がりくねった山道が多く、こういう道の好きなWifeはすっかり
	ドライブを楽しんでいる。





ここでの壁画の写真は、ここで貰った上のパンフレットから数枚と、大半は購入した以下の本から転載した。深謝。