月に吠える −筑前・時事評論あるいはボヤき  by Inoue Chikuzen

	3.平成21年1月27日(火曜日) −サンケイ新聞−

	サンケイ新聞を、この2,3年読んでいます。

	それまで、毎日やyomiuriも読み、殆どが朝日新聞だったのですが、最近気づいたことがあります。それは、最近,サンケイが一番公正な記事を
	書いているのではないか、という事です。
	昨日、「オバマ大統領の演説の一部を中国で報道していない」という記事がありました。「共産主義」という言葉や、中国に都合の悪い表現を
	カットしているというものです。INTERNETで演説の全文を読んだ中国の知識層から、当局に対して非難の嵐が起きている、という事も付け加え
	られておりました。しかし、朝日を隅々まで読みましたが、この記事は一切報道されていなかったように思います。
	ま、中国の事ですから、サンケイは非難して、朝日は擁護するというのは昔からのパターンですが、それにしても、朝日が報道しないのは解せ
	ません。以前にも中国当局が、教科書から、「大戦中に、中国人を救った日本人医者」の話を削除した、という記事もありました。
	これはある日本人医者の話で、戦争中に大陸で多くの中国人の命を救った医者の話を教科書に載せようとした出版社が、中国当局から記事の削
	除を求められた、という記事でした。これらの記事はいずれも朝日には載っていなかったように思います。毎日、yomiuri は見ていないので
	分かりませんが、朝日だけを読んでいる人たちは、こういう中国の実情をまったく知らないままになります。

	サンケイは、今の政府の糾弾もやりますし、麻生首相に対してコキ降ろした記事も書いています。加えてアメリカや中国に対しても「日本の国
	益」という観点からの記事が多いように思います。朝日のように、「中国のやることは皆正しい」というような観点ではありません。
	「赤い赤い朝日」と言われるように、朝日新聞には社会主義に賛同する記者が多いのは事実ですが、それにしても、最近の朝日は公正な報道を
	しているとはとても思えません。

	勿論、基本的にサンケイは保守の立場ですから、その傾向が強いのは否めませんが、サンケイを読む前に抱いていた印象とは相当違います。
	先日、早稲田の政経で政治学をやっていて、上々会社の社長を務めてリタイヤしている先輩と話す機会があって、この印象を述べたところ、そ
	の先輩も同意見でした。「サンケイはましだね。その次は毎日かな。」と言っていました。「朝日はイカン、偏向しすぎてる。」とも言ってい
	ましたが、私の青年時代とはエラい様変わりです。この先輩もずっと朝日は読んでいるそうなのですが、他にも2,3新聞を取っているそうで
	す。
	勿論、私自身も保守化しているのは認めますが、それにしても最近の朝日の報道姿勢には疑問が湧きます。あの社会の木鐸を自認していた、
	「良識の朝日」はどこへ行ってしまったのでしょうか。




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