2009年秋 南イタリア紀行(6) 9.22



マテーラからポンペイへ








雨の中、ポンペイへ向かう


	9月22日(月)

	今日は、今回の旅で私の一番の目玉である、「ポンペイ」への旅だ。楽しみ、楽しみ。サッシを出る時少しパラついていた。TomTom
	に「pompei」と入力する。高速を行くと午前中に着いてしまいそうだから、地道を行きたいとwifeがいう。これがエライ目に。




	南部までは一気に高速を来たのだが、xxxx の町でらwifeがマーケットを見たいと言うので一般道に降りたのだ。MD(ディスカウント
	ショップ)やスーパーで買い物をしてpompeiを目指すが、ナビが迷うくらい、「工事中」や迂回路が多いのである。おまけに我々に
	はイタリア語の迂回路表示が読めないので、同じ道をぐるぐる回ったり、また引き返したり、とうとうwifeとも喧嘩になってしまっ
	た。




	二人で旅行に来ての喧嘩ほど最悪なものはない。しかも外国である。二人とも一言も口を開かず、黙々と車だけが進んで行く。結局
	二人に会話が戻ったのは、夕方(と言っても20時であるが。)のサンセット・ディナーでワインを呑みだしてからである。




	と、それはさておき、車は地道を走りやっとポンペイに着いた。駐車場のオジサンがここに停めろと誘導する。狭い車間にwifeがす
	んなり車を入れたので、オジサンが「Youaregooddriver」とお世辞を言う。傍の車の脇に立っていた別のオジサンが、「この車はお
	んぼろだから、ぶつけてもかまわんよ。」と言う。私が大声で笑ったので受けたと思ったのか駐車場のオジサンにも同じ事を言って
	いた。




ポンペイ










ナポリ湾を眼下に


	今夜の宿は、ウ”ェスビィオス火山を対岸から眺められるように、ナポリ湾のナポリとは反対側 Vico Equenseに取ったらしい。
	例によって、あっちで聞き、こっちで聞きしながらようやく道の際に建っている「TORREBARBARA」というホテルを見つける。こんな
	道の際で、どこからどうやって中へ入るのだろうと思ったら、駐車場もエントランスも道から少し行った先から入って行くようにな
	っていた。ヨーロッパのホテルにはこういう形式の所が多い。














	今夜のホテルは食事付きと言うことで、CHECK-IN時にオーダーを聞かれた。部屋はすばらしい景観を持っていた。レイアウトは普通
	の大部屋と浴室の2つだけだが、ベランダが広く、なんと言ってもそのベランダからウ”ェスビィオス火山が目の前に見える。しか
	も大きく入り込んだナポリ湾と、遠くにナポリも見えるのだ。何艘かの漁船らしき船が浮かんでいるし、ナポリへ向かう商船も行き
	来している。あまりにもすばらしい景観にしばしうっとり。




















	備え付けの部屋割り表を見ると、4Fの我々の部屋とベランダの向こう側の2つの部屋が最高級だった。しばらくベランダですごす。
	ロココ調のような金属製の白い椅子に座って、コーヒーを呑みながら、wifeは今日の支出をPCに入力している。wifeが言うには、
	今夜の食事は「Sunset Dinner」という名前が付いているそうだが、20:00からだともうSunsetは終わっているじゃないかと文句を言
	っている。










	時間になったので食堂へ行く。0F(ゼロ階:イタリアではエレベーターは0階から始まっていて、0Fが一番下なのだ。従って、
	フロントやエントランスはいきなり2Fだったりする。)が食堂と書いてあるのでエレベーターに乗ったが、着いてエレベーターの
	入口の横の面(反対側ではなく、すぐ隣の面)が開いたのでびっくりした。入口の真正面が開くのは日本にもよくあるが、側の面が
	開いたので驚いた。食堂は、薄暗い部屋に椅子とテ−ブルが並んでいるが人が誰もいない。20:00 からだというのに、テーブルセッ
	トもまだのようだ。奧を覗いて見ると、厨房らしきものはあって電気も点いているが、「Hellow!」と声を掛けても誰も出てこない。
	「何だまだ準備も出来てないやん。」「なんでやねん、それにえらい狭いテーブルやなぁ。」「これのどこが Sunset Dinnerなん。」
	とブツブツ。「フロントへ行って聞いてみよう」




	フロントではCheck-inしてくれた兄ちゃんが、「Dinner? Oh! Outside、Outside Ok?」という。指さす方向を見ると、エレベー
	ターの近くに外へでる出口があり、そこから庭へ出れるようになっている。驚いた!
	駐車場とホテルの建物しか無いのかと思っていたら、建物を挟んで駐車場とは反対側に、その3倍くらいの広さの庭があって、芝生
	のなかに高い椰子の木が数本立っている。ダイニング・ガーデンが作ってあるのだった。目の前にはナポリ湾。ナポリ、ウ”ェスビ
	ィオス火山が見渡せ、アウトサイド・バーの女の子が給仕してくれる。Sunsetは終わっていたが、何とリッチなDinnerだろうか。
	今まで何回か海外旅行にも行ったが、こんな贅沢な Dinnerは初めてだ。「Sunset Dinnerなのに・・・」とぼやいて地下の食堂でガ
	ッカリしていたwifeも大ハシャぎ。






	席に着くと早速、お姉ちゃんが料理を運んでくる。ワインを注文。今回の旅ではワインがほんとにおいしい。料理も旨く、また1本
	開けてしまった。「DINNER付」というのはOptionで、10室ほどかと思われる今日の客で、「Sunset Dinner」を頼んでいたのは我々
	と、もう一組イタリア人の老夫婦だけだったが、(後でもう2組来た。)それもまた静かでいい。












	暮れてゆくナポリ湾と、次第に見えなくなってゆくウ”ェスビィオス火山を眼前に、イタリア南部の風に吹かれて心地よい時が過ぎ
	てゆく。食事が済んでエレベーターに乗り込む時、タキシードとウェディングドレス姿のカップルが乗り込んできたのには驚いた。