Music: ゴンドラの唄
歴史倶楽部 125回例会
二日目 洞川温泉から「女人結界」を目指して歩く
2007年9月2日(日)
本日のコースは、洞川の町にある修験道の根本道場「龍泉寺」から始まる。ここから町を見下ろす高台に登ると面不動鍾乳洞があり、
昨日のようなダイナミックな渓谷美はないももの、トウロウの岩屋などを結んだ川沿いの整備された「洞川自然研究路」を歩いて、
「大峯山登山口」まで約4kmを歩く。ここに「女人結界」がある。ここから山上川の反対側(南側)を歩き、五代松(ごよまつ)
鍾乳洞、母公堂などを経由して洞川の町へ戻ってくる。そして資料館を見て終了という予定である。宿に荷物を置かせて貰い、同じ
く宿で作ってもらったお弁当を持っていざ出発。
<龍泉寺>
名称 : 大峯山(おおみねさん)龍泉寺(りゅうせんじ)
所在地 : 638-04 奈良県吉野郡天川(てんかわ)村洞川(どうかわ)494
宗派 : 真言宗醍醐派大本山
開山 : 役小角(役行者、神変大菩薩)中興聖宝理源大師
創建 : 天智6年(667年) 頃と言われる
1300年前に役の行者がここで泉を発見したと伝わる。八大龍王をまつり水の行をしたのがこの霊場で、修験道の根本道場として
全国の信者、行者が集まる。現在は真言宗醍醐派の大本山であり、大きな法要の際には行者たちで大賑いだそうだ。特に5月3日の
大峯山戸開式から9月22日の戸閉式までが、参拝者が多い。境内には水行のための湧水の行場が並び、厳しい修業で知られる。
関西の軽井沢と言われるだけあって、廻りは涼しい。洞川の町自体標高が高いせいもあるが、シャバ(下界)の暑さは全く感じない。
朝方は少し肌寒いくらいである。
<八大龍王>
元々は梵名をナーガといい、海中や水中に住む架空の動物で竜宮(王の都)は海底にあるという。法華経では難陀竜王、跋難陀竜王、
沙伽羅竜王、和修吉竜王、徳叉迦竜王、阿那婆達多竜王、摩那斯竜王、優鉢羅竜王のことで、難陀、跋難陀龍王が代表格。インドで
はナーガは雨を司る大蛇だったが中国、日本では龍と同一視されている。法華経では護法神として八大龍王が釈迦の説法を聴聞する。
古来から干ばつのとき「請雨経(しょううきょう)」をあげて龍王を供養して雨を降らせた。釈迦誕生にあたり、難陀、跋難陀龍王
が空から釈迦の体を清めた姿がインドの古跡にある。
山門をくぐると、八大龍王と開山の役行者にちなんだ美しい池が目をひく。境内中に張り巡らされた池の水は、山からの湧水を引い
たもので、常に新しい水が流れているため、驚くほど澄んでいる。中では大きなニジマスが群れをなして泳いでおり、手でつかめそ
うなほどである。本堂には弥勒菩薩と一願不動、弘法大師、役行者などが祀られている。
龍泉に 汲めどもつきぬ 慈悲の水 不動の智火を かゞよわせつゝ
家田荘子コラム 三十一番 龍泉寺
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年数回、大峰蛇之倉七尾山(じゃのくらななおざん)に参拝させていただく前にも、必ずこの龍泉寺に参拝させていただきます。この
お寺の滝をお借りし、前行も何度かさせていただきました。
洞川の町の雪が溶けて五月になると、大峰参拝の行者さんたちで、このお寺は大賑わいです。誰もがはるばる遠くから来ているわけ
ですが、お寺の人々は、ここへ来るまでの大変な行程を十分に理解して下さり、いつも本当に大事なものを扱うように納経を受け入
れて下さいます。
ご本尊様は、本堂の弥勒菩薩様です。木造立像の一願不動明王様も本堂にいらっしゃいます。さらに、役行者様、弘法大師、理源大
師も、祀られています。参拝が終わったら、橋を渡って滝の方へ行ってみて下さい。不動堂には、剣不動様もいらっしゃいます。
洞川の人々は、いつもとっても暖かく、参拝者を迎えてくれます。だから、またこの町へ、すぐに来たくなるのです。
近畿三十六不動尊霊場会先達・作家 家田荘子
登り口に、収穫物を運ぶトロッコのようなモノレールで、鍾乳洞まで運んで貰えるようになっていたが係員がいなかった。歩いて8
分とあったのでみんな歩くことにしたが、河内さんは歩くのが嫌で何とか係員を見つけようと努力していたが、とうとう見つからな
かったようだ。我々が鍾乳洞から出た頃、客を乗せて登ってきた。
上写真、右手の方から登ってきて、左側の鍾乳洞へ登る。鍾乳洞から降りてきて、正面の林の中を通って「洞川自然歩道」を歩く。
鍾乳洞へ登り切った所から見た洞川温泉街。
【面不動鍾乳洞(めんふどうしょうにゅうどう)】 長い時が創造した造形洞穴の中の別天地
カルスト地形の洞川は、多数の洞穴があり、特に面不動、五代松の鍾乳洞は県の天然記念物の指定を受けている。洞穴内は石灰岩の
浸食による鍾乳石や石筍によって、自然の迷宮を形成。時が創造した不思議な光景が目を楽しませてくれる。
面不動鍾乳洞は、天川村の雄大な自然の中にポッカリと口を開ける、昭和8年に発見された日本でも貴重な鍾乳洞で、奈良県の文化
財に指定されている。洞内には、釣鐘や乳房の形をした鍾乳石がいくつも垂れ下がり、じっと見ているとまるで彫刻作品のよう。
自然が創り出す神秘的な美しさが漂ってくる。洞川バス停から20分程のところにあり、洞内は年中8℃でひんやりしており約10
分で1周できる。
千年前の「てん」と「かわうそ」!ホンマかいな。ん、「てん、かわうそ」、「てんかわうそ」、「天川、嘘」なんちゃって。
大吊り橋ともいい、洞川自然研究路の龍泉寺山と大原山に架けられた長さ120m、高さ50mの大吊り橋だ。大峯山の山嶺と眼下
の洞川温泉の壮大なパノラマを、谷をわたる風とともに楽しめる。といえば聞こえはいいが、私はこういう所は大の苦手である。下
を見るとクラクラしてきて足がすくむ。「ワンダーフォーゲル出身のくせに」と言われるが、山は地べたに足が着いているから吊り
橋とは違う。空中に浮いている道など考えただけでゾッとするが、こうやってみんなで来たら渡らなければ仕方がない。走るように
渡り終えたが、上から山上川の大自然を一望できて、スリルに満ちた120mではある。
私の後ろから来た高野さんも吊り橋は苦手らしく、「ヒャー、怖ぇー。わぁー、たまらん」と金切り声を上げていた。
洞川町全景。左隅の方に大峯山系が見えている。
素晴らしい自然美の中でナチュラリストになる一日だ。自然の本当の美しさと神秘が生きている吉野熊野国立公園。特に洞川は温泉、
渓流、野原と高山の樹木、滝や鍾乳洞などが、変化に富んだ水と緑の聖域。この豊かな自然と史跡の数々をたどる洞川自然研究路は、
心と体をリフレッシュし、自然への発見に満ちたプロムナードである。と、天川村のHPから。
<大峯山>
大峯山(おおみねさん)は奈良県の中央にある山。深田久弥の日本百名山やそれを元にした各種一覧表では、大峰山(1915m)とある
が、これは大峯山脈中にある近畿地方|近畿最高峰の「八経ヶ岳」の高さであり、一般的に単に「大峯山」と言えば山上ヶ岳(1719m)
を指す。深田久弥は山上ヶ岳と八経ヶ岳の2峰を登山しており総称して「大峰山」と紹介している。全国に数多く存在する大峰山の
由来の山といってよい。その大峯山脈の急峻な尾根をたどって、吉野から大峯山寺、玉置神社を経て熊野本宮大社に至る「大峯奥駈
道」は、2004年7月、ユネスコの世界遺産に『紀伊山地の霊場と参詣道』の文化的景観を示す主要な構成要素として、史跡「大
峯山寺」、史跡「大峯奥駈道」が登録された。
大峯山はまた、修験道の祖・役行者が開いたといわれているわが国修験道発祥の地で、今も多くの行場や難所がある。絶壁から逆さ
づりにされる「のぞきの行」は特に有名で、横からながめたことのある錦織さんによれば、「勉強するかー」という問いかけに返辞
をしなかったら、ロープを緩めて谷へ落とすマネをするらしい。これで大半の行者は「ヒィー、しますします!」と叫ぶそうである。
この行を受けたい人は、HPでも参加申し込みが出来るので探してみてください。山頂からは、天川村はもちろん、はるか大台ケ原
まで遠望できる雄大なパノラマが楽しめるという。
歩くこと2時間あまりで「女人結界」門へたどり着いた。
この門を巡っては賛否両論でいまでも論争が続いており、この看板にも「女人禁制は地元の女性達も望んでいる」という若干言い訳
のような説明があった。HPを見ると「断固反対」を表明している団体もいくつかある。しかしそういう連中ほど、解禁になったら
大峰山などには登らないような気がする。土俵へ上がりたがった太田房江大阪府知事も、まず自分が「女相撲取り」になってから土
俵へ上げろと言うべきではないかな。
上左は昼飯を食べた河原。ここでも橋本さんはヤマメを釣りたくて性懲りもなく挑んでいる。しかしあそこに魚影はなかったがなぁ。
役の行者の母をまつる安産祈願で有名。役の行者がその昔、大峯山で仏につかえる修行をしていた時、母君が訪ねて来たが、山へは
女人禁制なのでこの地まで下山して会ったといわれている旧跡である。
天川村洞川は霊峰大峯山の登山口で、古来から水の美しさで知られたところである。なかでも環境庁による名水百選にも選ばれた、ご
ろごろ水・泉の森・神泉洞という3つの湧水からなる[洞川湧水群]では、花崗岩と石灰岩の特異な地層からミネラル分を適度に含む
身体に良いおいしい水が湧き出し、遠い昔から修験者たちののどを潤してきた。
<ごろごろ水>は、五代松鍾乳洞のすぐ近くにあり、豊富で清冽な湧水が大岩から流出している。付近の洞穴に反響するのか「ごろご
ろ」と音をたてて流れていたので、昔から「ごろごろ水」と呼ばれている。日本の名水百選にも選ばれた、石灰質の地層で磨かれた名
水で、古来から万病に効くとされている。かってはここから水を汲む採水者たちの車で、道路が大渋滞を引き起こしたので、今は少し
下ったところに駐車場を設けて、そこまで水を引きその駐車場の隅で採水するようになっている。採水は無料だが、協力金として駐車
代金を300円取られる。あまりの人だかりに寄っていく気もしなかったが、汲んで帰らなくても我が家にはこの水がある。
天川村は吉野熊野国立公園内にあり、あらゆる開発行為が規制されている。天川村の中心部よりさらに奥に進んだ所に洞川湧水群があ
り、この湧水群は「ごろごろ水」、「泉の森」、「神泉洞」の3つの源泉から成り立っている。水質の良いこれらの源泉は昭和60年
7月に当時の環境庁(現・環境省)から「名水百選」に選ばれている。神泉洞はその内の1つ。この神泉洞の内部は石灰質の鍾乳洞のよ
うになっており、入口から地底に100mほど進んだ突き当りに神秘的な湧水地点がある。
・井戸水ではなく太古より自噴している湧水を採水。
・加熱処理をしていないので、原水の風味と成分が生きている 詳細>>
・源泉は環境省選定、名水百選に選ばれている 詳細>>
・どなたでも飲みやすい、くせのない硬度30、弱アルカリ性の軟水 詳細>>
・水源は吉野・熊野国立公園内にあり、政府により環境が保全されている
・人為的に井戸を掘るような環境破壊をしていない
・外界から完全に隔絶された洞窟内よりパイプラインで送水されている
・採水地周辺はユネスコの世界遺産に指定されている
洞川湧水群が昭和60年7月に認定された「名水百選」認定書
我が家のウォーターポッドは、この伝説的に語り継がれてきた神泉洞の水を原水とした「大峯山 神泉洞の水」である。
邪馬台国大研究 /歴史倶楽部/ 天川村