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歴史倶楽部 第153回例会 福田神社跡(観阿弥創座の跡) 2010.4.25 三重県名張市



	国道165号(旧初瀬街道)が美旗盆地を東西に貫く一帯には、小波田川(おばたがわ)が潤す水田や畑が広がっている。国道を境
	にして、小波田川の上流が上小波田(かみおばた)地区、下流が下小波田(しもおばた)地区である。美旗古墳群のうちで最も新し
	い赤井塚古墳は、上小波田の集落の中に築かれている。赤井塚古墳へ行く手前の、小波田川と国道の交差点の東南側に小高い山があ
	り、その中腹に観阿弥(かんあみ)ふるさと公園がある。赤井塚古墳に向かう途中に立ち寄る。 






	ゆったりとした坂道を登り切ると、広場の中央に「観阿弥創座之地」と刻まれた石碑が建っている。その左側にはヒノキ造りの能舞
	台がある。毎年11月にはこの公園で「観阿弥祭」が開かれ、能楽愛好家でにぎわうとのことだ。 
  




	
	観阿弥(かんあみ)ふるさと公園	能役者観阿弥がこの地に初めて猿楽座を創設したのを顕彰するため作られた公園

	観阿弥とは有名な、伝統的な舞台芸能である能楽の大成者として知られるあの観阿弥(1333 - 1384)である。観阿弥と世阿弥(ぜあ
	み)父子で大成した能は、14世紀の中頃、観阿弥がこの小波田地区で猿楽座(後の観世座)を建てたことに始まるとされている。
	世阿弥が著した「申楽談儀」にも「伊賀小波田にて座を建て初められし」と記述されている。 



	
	名張市は昭和44年(1969)、小波田地区の鎮守の森である旧福田神社境内に石碑を建立して先人の業績を顕彰した。さらに、平成7
	年(1995)には能舞台を建立して観阿弥ふるさと公園(約3000平方メートル)として整備した。 
 




ふるさと公園に建つ福田神社跡碑と観阿弥顕彰碑、と、そこに咲いていた八重桜。







隅の方には「山神」様がひっそりと祀られている、


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