女郎塚古墳の裏側(北)に殿塚古墳はある。民家が数軒建ち並ぶ中を抜けていくと現代の墓があるので、「ははぁ、このあたりだな」と 見当はつくが、背後は雑木林になっていて古墳の原型は留めていない。説明板がなければ、ここを古墳と思う人はいないかもしれない。 ここからは、また女郎塚古墳前の小径へ戻ってくる。
殿塚古墳は、美旗古墳群の前方後円墳のうち最初に築かれたもので、5世紀初めの築造と推定されている。全長88mを測る墳丘は葺石 が敷かれ、円筒埴輪や形象埴輪があったことがわかっている。また、後円部を中心に不明瞭な周濠が一部分巡らされ、周濠の外堤には陪 塚のワキ塚1号墳(方墳)と同2号墳(円墳)が存在していた。