絹本着色。純白の金・緑・青の飾り羽がきらびやかで、なまめかしい雰囲気が漂う。三十幅の動植綵絵は、その配置を書いた文書が
	紛失しているため、現在ではどのように並んでいたかは不明であるが、若沖は、釈迦三尊の左右にこの「老松孔雀図」と前頁の「老
	松白凰図」を配するように書き残している。いずれも「銀」にも似た彩りと、細密な線で描写された羽毛や葉脈が際だっており、図
	全体から醸し出すイメージは艶めかしくさえある。孔雀も牡丹も仏教画では霊鳥、富貴の象徴として尊重されるが、若沖はここに長
	寿の象徴である松を配して、より一層の「おめでたい絵」を演出している。

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