まさかあの時代にハートのマークがあったわけでもあるまいが、これまた色っぽい絵である。鳳凰の顔は、北新地のバーによく似た女 がいるような気も。想像上の鳥である鳳凰をここまで艶やかに描くのは何か意図があるのだろうか。頁の孔雀もそうだが、実際には あんな真っ白の孔雀はいないし、鳳凰も金色ならいざしらず、純白に金である。若沖は白に格別の思い入れでもあったのだろうか。 画面の右下には松に絡む桐(?)が描かれ、右上には真っ赤な日輪と不如帰のような鳥が描かれているが、これもよく分からない。お そらくは日輪にむかって羽ばたく鳳凰という構図なのだろうが、それなら日輪はもっと大きくてもいいような気もする。