綿のような雪の質感。いまにも落ちてきそうなこの雪は、実は雪を際立たせる為に裏に胡粉で白を吹き付ける裏彩色の手法を用い ている。絹本に裏から彩色するというやり方は、日本画では昔から用いられている手法だが、若沖もそれを用いているのだ。若沖 の絵には「裏彩色」を用いている絵はほかにもいくつかある。伝統的な手法を用い、中央に赤い錦鶏を配し、白と赤のコントラス トが際立っていかにも幻想的な絵画に仕上がっている。