作風、款記、落款等から、この絵は「動植綵絵」の中でも最も初期に描かれた作品ではないかとされている。牡丹についで二番目 の聖花とされている芍薬(しゃくやく)の上を舞う蝶たち。相国寺の「相国」とは元来「宰相」という意味であり、牡丹が花の王、 芍薬が宰相(相国)とする考えは昔からあるので、若沖もこの絵を描くに当たってはそのあたりを意識したのかもしれない。