私はどういうわけだか子供の頃から狐が好きだった。子供の頃、近所の鶏小屋の罠にかかって苦しんでいる狐を見て、 何とかして助けてやりたいと思ったが、廻りで騒ぐ仲間達や駆けつけてきた鶏小屋の持ち主のオッサンたちの勢いに、 とうとう「助けてやろう」とは言い出せなかった。そのときの恨みで、私に来たのは狸の嫁なのかもしれない。