Music: moon river
八尾・河内をあるく 歴史倶楽部・第107回例会 2006.1.29 大阪府東大阪市・八尾市




司馬遼太郎の住まいと、 河内の、生駒・高安山麓の古墳を訪ねる


	<日時>: 1月29日(日) 9:40分集合 近鉄奈良線「河内小阪駅」集合

	<行程>: 近鉄河内小阪駅 − 司馬遼太郎記念館 − 近鉄八戸ノ里 −(近鉄電車)− 近鉄瓢箪山駅 −
		  瓢箪山稲荷神社 − 東大阪埋蔵文化財センター − 梶無神社 	− 東高野街道 − 心合寺山
		 (しおんじやま)古墳 − しおんじ山古墳学習館 − 八尾市立歴史民族資料館 − 高安千塚古墳群 −
		  近鉄大阪線はっとり川駅 −(近鉄電車) − 近鉄八尾駅 − 八尾グランドホテル

		 (八尾グランドホテルで温泉に入ります。スパーです。河内さんが4枚の招待券を持っていますので、残りの人
		  の分を参加者全員で割りカンします。従って、多く参加頂かないと、一人分の割り前が多くなってしまいます。
		  是非、多くのご参加をお待ちしています。)

	<費用>:
	<交通費>
		<大阪組> 近鉄「なんば」−「河内小阪」(250円)、「八戸ノ里」−「瓢箪山」(200円)
			「服部川」−「近鉄八尾」(200円)、「八尾」−「なんば」(230円)
			合計: 880円

		<奈良組> 近鉄「奈良」−「河内小阪」(430円)、「八戸ノ里」−「瓢箪山」(200円)
			「服部川」−「近鉄八尾」(200円)、「八尾」−「近鉄奈良」(540円)
			合計: 1,370円
	<その他>
		・入場料 900円(500円(司馬遼太郎館)+200円(しおんじ)+200円(八尾資料館))
		・入浴料金 2,200円 x 参加人数 −(8,800円)/ 参加人数
		(河内さんから、招待券4枚提供:8人参加者があれば一人1,100円)
		・反省会料金 ? (2〜3000円?) 入浴後、大座敷での宴会です。(女性は無料)

	<持ってくる物>: 弁当、雨具、防寒具、温泉セット、その他(特に防寒具は必要。)

	<みどころ>



 


	近鉄奈良線で河内小阪駅を目指す。目の前に生駒から高安山への山並みが連なっている。この線は、私が九州から横浜の会
	社に就職して大阪勤務となった時、毎日の通勤に使っていた線である。初めて乗った関西の私鉄でもある。
	この沿線の「花園」に会社の寮があった。花園ラグビー場のすぐ裏で、よく寮の大家さんから券をもらってラグビーを見に
	行った。田舎の母親が送ってくれた布団一式を瓢箪山駅に受け取りに行ったこともあるし、通勤2日目くらいに、車中でヤ
	クザ風の男が老夫婦を足で蹴っているのも目撃した。腹いせか、何か老夫婦に落ち度があったのかははっきりしないが、車
	中で蹴るという行為はまともではない。止めに入る勇気も無かったが、なんと恐ろしい電車だという印象だった。幸い男は
	1回蹴っただけで別な車両へ移ったし、その後でそういう暴力行為を目撃したことはなかったが、九州から出てきたばかり
	の学生にとって、大阪とは、聞きしにまさるヤクザの街という印象だった。

 

小阪駅前の商店街の入り口に、大きく「司馬遼太郎記念館」への案内が掲げてある。東大阪の名誉市民といったところだ。



商店街を抜けたところにある小さな「小阪公園」の一角に、司馬遼太郎の「21世紀に生きる君たちへ」という碑がある。








	<司馬遼太郎記念館>

	記念館は、司馬遼太郎の自宅と、建築家安藤忠雄氏設計の建物で構成されている。正門を入れば雑木林風の庭が、見学者を
	誘う。小さな庭ながら、司馬遼太郎が好きだった四季折々の自然のイメージが演出されている。途中、生前のままに保存さ
	れた書斎を窓越しに見ることができる。回廊から記念館に入ると、そこは膨大な蔵書の世界である。高さ11mの壁面に、
	約3400の書棚が張り付く大書架があり、約2万冊の書籍が収まっている。図書館のようだが、この書籍群は勿論閲覧は
	できない。

	記念館自体は小さいが、年に数回の企画展、司馬遼太郎自筆の原稿、絵などの展示コーナー、150余席のホールでは映像
	が上映されたり、講演会や音楽会なども催されている。

	クリックすれば記念館の詳細へ。




 


	瓢箪山駅のホームに「楠正行(くすのきまさつら)」の墓所(往生院:東大阪市六万寺町:胴塚)の石標が建っている。時間
	があればここにも寄りたかったが、山腹にあり、だいぶ登らねばならなかったので今回は断念した。




	<瓢箪山稲荷古墳>


駅から商店街の中へ2,3分南下すると左手に大きな鳥居がある。





猫ちゃんがどっからかやってきて、賽銭箱の上の煮干しのようなものを食っている。




	この神社の裏手が双憤になっており、瓢箪山という名前はそこからきた。このあたりは山畑古墳群として有名で、ここから裏
	手の山一帯にかけて古墳群が密集している。東大阪市の歴史資料館も山の上にあるが、今日はとても上れないのでパスした。
	私は一度行ったことがある。詳細は「博物館巡り」にレポートがあるので、是非覗いてみて頂きたい。この辺り一帯が渡来人
	の「馬飼いの里」だった証拠が並んでいる。






	東高野街道は、京と高野山を結ぶ古道の一つ。楠正行はこの街道で足利尊氏の執事・高師直(こうのもろなお)と戦った。瓢
	箪山の商店街を抜けて、この旧高野街道を南下すること7,8分で、東大阪市の埋蔵文化財センターへくる。この建物のあっ
	た場所は「縄手遺跡」のあったところで、縄文から平安の遺跡が埋まっていた。そのため東大阪市はここに埋蔵文化財センタ
	ーを作った。
	最近の研究では、南朝方と足利軍の最後の戦い「四条畷の戦い」は、従来言われてきた今の「四条畷市」ではなく、この東大
	阪の「四条・縄手」地区ではないかと言う。つまりこのセンターのある場所である。ここが7百年前の激戦地かもしれないの
	だ。

	

	<東大阪市埋蔵文化財センター>

	 
	詳細は上右をクリック。




	<東大阪市の式内社  梶無神社(かじなしじんじゃ)>

	
	詳細は、上の写真をクリック。



	東大阪から八尾へ −東高野街道を南下する−


	<八尾の遺跡>
  
	八尾の文化財を見るには「八尾市立埋蔵文化財調査センター」を訪ねるのが一番だと思ったが、残念なことに土日は閉館し
	ている。同好の市民がいても、土日休みではその成果を確かめるすべもないと思うが、この機関は博物館ではないし、職員
	も少なかったら土日出勤の体制も取れないだろうし、難しいところだ。
	八尾市は、市全域の約3分の2を占める部分が遺跡包蔵地として、八尾市埋蔵文化財分布図に範囲提示されている。登録遺
	跡数は89箇所で、うち埋蔵文化財は83遺跡を数える。これまでに発掘調査が実施されたのは44遺跡である。市の中心
	部の遺跡は、開発件数と比例して調査件数が多く、数多くの成果をあげている。出土品はトロ箱(縦60cmX横40cm
	×高さ20cm)で約1万箱を数えるそうだ。優品遺物は八尾市立歴史民俗資料館と八尾市立埋蔵文化財調査センターにわ
	けて所蔵されている。

	以下のように、八尾市内は大きく5ブロックの遺跡群に分けられる。そのうち代表的な遺跡については、(財)八尾市文化財
	調査研究会が調査を行っている。
 
	1生駒山地西麓の遺跡 
	2生駒山地西麓の扇状地から沖積地の遺跡 
	3玉串川と長瀬川に挟まれた遺跡 
	4長瀬川左岸の遺跡 
	5羽曳野丘陵先端部から沖積地の遺跡

	このうち今回は、1.の「生駒山地西麓の遺跡」の一部を見学する。


	1.生駒山地西麓の遺跡

	八尾市東部の生駒山地西麓に位置する遺跡群には、高安古墳群・高安城跡、花岡山遺跡などがある。「高安古墳群」は生駒
	山地西麓に分布する古墳時代中期末〜終末期にかけての群集墳である。南から、神宮寺・恩智・垣内・黒谷・郡川・服部川
	・山畑・大窪・神立・楽音寺の広範囲に存在している。
	この古墳群は、生駒山地西麓(標高50〜450m の斜面)に分布しており、中心は郡川や服部川で特に群集しており、千塚と
	呼ばれる地名が残る。北には楽音寺・大竹古墳群、東大阪市域の山畑古墳群、南には岩戸古墳群、柏原市域の高井田古墳群
	・平尾山古墳群が連なっている。古墳数は現在180基前後しかわかっていないが、数百基以上が存在していたと言われる。
	『河内名所図会』の絵図には、郡川付近の古墳とその乱掘の様子が描かれている。また明治時代初期、イギリス人のW・ゴ
	ーランドやアメリカ人のモースが踏査し、その成果を論文として世界に紹介している。その後、府教育委員会などによって
	古墳の分布調査が数次にわたり行われている。(財)八尾市文化財調査研究会では芝塚古墳・大石古墳の2基を発掘調査して
	いる。

  


 	<鏡塚古墳>

	心合寺山(しおんじやま)古墳の西方250mに位置する径28m、高さ5mの円墳状の古墳で、火葬墓としての 痕跡が
	確認されている。心合寺古墳の陪塚と見られる。ここの土に触ると腹痛を起こすといわれており、そのせいかあまり調査が
	行われていないようだ。ここから復元された心合寺山古墳が見える。





石碑があるから、かってはここに神社が建っていたのだろうと思われるが、今は唯の小山に過ぎない。





葉の落ちた木々の向こうに、復元された「しおんじやま古墳」が見えている。





	八尾市立しおんじやま古墳学習館 大阪府八尾市大竹5丁目143番地の2

	八尾市立しおんじやま古墳学習館は、全長160mの中河内最大の国指定史跡「心合寺山古墳(しおんじやまこふん)」の
	出土品を中心とした展示を通して、「心合寺山古墳の時代」を学べる施設である。復元された心合寺山古墳とともに、生駒
	山地の豊かな歴史や文化財とふれあうことができる。

	クリックしてもらえば学習館のHPへ。




	心合寺山古墳(しおんじやまこふん) 服部川駅下車 北に徒歩約20分

	生駒山西麓部にはかって2,000基近くの古墳があったと言われる。その中でもこの古墳は、全長160mと最大級であ
	る。副葬品も冑・短甲・太刀・鏡など、権力者を示す豪華なものが多いが、注目されるものとして「水の祭祀場を現した囲
	み形家型埴輪」 がある。おんじやま古墳学習館に展示されている。
	この古墳は、三野県主の墓との説もあるが、北河内一帯の首長墓であることは間違いないだろう。整備された古墳は、葺き
	石や埴輪なども当時のままに復元され、築造時の壮大さがしのばれる。 
 
	
	復元されたしおんじやま古墳と生駒山地 詳細はクリック。
 



 
	<愛宕塚古墳>

	生駒山西麓部の古墳群の中で、横穴式石室(内部は両袖石室)をもつ最大の帆立貝式古墳である。標高70mの見晴らしの
	良い場所にある。この時代の地形図を見ると、この古墳のすぐ際まで河内湖が迫っているので、海岸段丘に築かれたものの
	ようだ。石棺片に、二上山の白色凝灰岩と播磨系の石材の二種類が使用されていたことが確認されている。天理とこの八尾
	は、欽明朝に最盛期を迎える物部氏の本拠地と見られているので、この古墳の被葬者を物部宗家の人物に比定する向きもあ
	る。

	詳細はクリック。





	<八尾市立歴史民俗資料館> 電話:0729-41-3601 近鉄服部川駅下車、北へ徒歩約8分

	八尾市立歴史民俗資料館は、昭和62年11月、高安古墳群の散在する高安山麓に開館した。市内の文化財を調査研究し、
	収集保存を図るとともに、展示などを通して広く公開する施設である。常設展示室では、「八尾の歴史と文化財」に関する
	資料を、8つのテーマにわけて展示している。そのほかホールには、銅鐸の復元製作工程資料や、地形模型を展示し、2階
	には、河内木綿体験コーナーが開設されている。

	クリックすれば資料館HPへ。

	流水紋銅鐸 (りゅうすいもんどうたく) 跡部遺跡出土、弥生時代 <八尾市指定文化財>
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八尾市郷土資料館から近鉄「服部川駅」までは15分kらいだ。ここから「八尾駅」まで電車に乗る。送迎バスを待つ。



せっっかく無料券を貰って行ったグランドホテルだったが、・・・




	正直、どうしてこの設備で入浴料2,200円も取れるのかわからない。また、自腹で来る人の気が知れない。温泉のお湯は良
	かったが、幾つもあるように書いてある浴槽は一つだし、食堂もきつねうどんや定食ばっかりで酒のつまみはほとんどな
	い。しかもきつねうどんが680円もする。カラオケおばさんばかりが次々とヘタな歌を披露して、全く興ざめだった。
	ホンマにタダほど高いものはないな。




クリックすれば大きな地図になります。


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