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御徒士町武家屋敷
2003.4.27(日曜)



 

		【御徒士町武家屋敷(おかちまちぶけやしき)】
		篠山城の城下町は、慶長14年(1609)徳川家康の命で篠山盆地の中に篠山城が築城され、そして城の完成とともに、中世の城
		郭であった八上城の城下町をそっくり移動してきた事にはじまる。篠山城は一辺が約400mの方形の縄張りで築城され、周辺
		を家臣団の屋敷が建ち並んでいた。そして武家屋敷の東側から、北、西へ山陰街道を取り入れたように町屋筋が並び、城を取り
		囲むように配置されて城下町を構成していたのである。





 

		
		篠山城跡の西外壕ぞいの南方に、壕と城に向かって入母屋造りの茅葺きで、武者窓をつけた白壁の小林家長屋門がある。そして
		もう一つの西側の通りが徒士町(おかちまち) で、約14.5mの間口を設けた武家屋敷・安間家史料館(町立)がある。これら
		はお徒士衆の家屋で、今も土塀に囲まれた静かな佇まいが、江戸時代末期の雰囲気を残している。この篠山城西方の、西新町地
		区にある南北約450mの通りに面した屋敷群を、御徒士町の武家屋敷と呼んでいる。かって外堀を取り囲むようにして立ち並ん
		でいた武家屋敷は、明治維新後、殆どの屋敷が取り壊され、今ではこの御徒士町附近に10数軒の武家屋敷が残るのみである。
		茅葺きの屋根に門および庭の植え込みなどが残り、町並みとして江戸時代末期の面影をよく残している静かな佇まいである。





		
		【武家屋敷・安間(あんま)家資料館】
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		御徒士町武家屋敷 問い合わせ/西新町95  52−6933
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		武家屋敷・安間家住宅は、江戸時代末期の天保元年(1830)に御徒士町一帯で大火事があり、その後程なく建てられた武家屋敷
		で、代々安間家の住宅として使用されてきた。安間家は篠山藩主青山家の家臣で、天保8年の絵図によれば禄高は、「高12石
		3人扶持」となっており、篠山藩の標準的な徒士住宅であった。当時の遺構としては、茅葺きで曲屋形式を残す母屋と、瓦葺き
		の土蔵が残っている。母屋は建築当時の様子をよく残しており、平成6年3月23日付で篠山市の市指定文化財となり、その年
		の10月から平成7年3月にかけて全面的な改修を行い復元し、史料館として一般に公開している。



 




		母屋は正面を東に向け、間口6間半(約13m)、奥行き7間半(約15m)あり、部屋割りは正面に向かって左に玄関、右奥
		に、庭園に面した8畳の座敷を配置し、玄関奥には台所、座敷奥には仏間、居間が続いている。館内部には、安間家に残された
		古文書や日常に用いられた食器類・家具はじめ、寄贈された篠山藩ゆかりの武具や史料が展示されている。

 

 

 

 


		これまで古代史の「遺跡巡り」のかたわら、よくお城と城下町巡りもやった。私も城下町の生まれなので、城下町の構成や歴史
		にも人一倍興味がある。城主や藩主の持ち物や書画骨董のようなものは、その大名の格式や財力によりだいぶ違いがあるが、一
		般藩士の住居・財産(持ち物)などは、日本中ほとんどの城下町で均一のような気がする。加賀藩の家老のように、家臣であり
		ながら大名並みの石高(5万石)を貰っている侍や1000石以上の扶持侍は、日本の侍の中でもごくごくわずかで、殆どの侍
		たちは100石以下なのだ。10石、20石という侍達を底辺として日本の武士集団は構築されていたのである。だとすれば、
		今の城下町に残る下級武士の家屋が、どこへ行っても同じような格好をしているのもうなずける。

 



 


		石と言う単位は、人間が1年間に食べる米の量を基準にして設定されたものであり、kgに換算すると1升=10合=約1.5kgで
		あるから、1石が約150kgとなり、また、1石=10斗=100升(1,000合)という関係があるので、この安間家の扶持は1
		2石だから1,200升=1800kgとなる。銘柄によっても異なるが、今スーパーマーケットで米を買ったら10kg入りの袋
		が4000〜5,000円くらいなので、180x4,500円として、12石を現在で小売りすれば81万円の年収という勘定になる。これ
		はずいぶん乱暴な換算法なので、当時の年収を正確に把握できる訳では勿論ないが、なかなかおもしろい計算だと思う。

 

 

 

 
		【利用の案内】

		 開館時間: 午前9時〜午後4時30分
 		 休館日 : 毎週月曜日(休館日が祝祭日 のときはその翌日)、年末年始(12月25 日〜1月1日)
		 入場料 : ○大人 200円 ○高校・大学生 100円 ○小・中学生 50円



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