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石上神宮 
いそのかみじんぐう


山辺の道を行く−2










		
		石上(いそのかみ)神宮は、天理市布留(ふる)町の東南端山麓にある。祭神は布都御魂(フツノミタマ)という神剣である。
		『古事記』『日本書紀』によると、神武天皇の東征中に熊野の神が口から毒を吐き、その為兵が皆病にかかって進軍不可能になった。
		この時、武甕槌命(たけみかづちのみこと)が、以前中つ国の平定に用いた「平国之剣」(くにむけしつるぎ)を与えたところ、
		この剣の威力によって兵卒の病は治り、再び進軍できた、という。
		『先代旧事本紀』(せんだいくじほんぎ)によれば、その後神武天皇は橿原に都を定めた時、物部(もののべ)氏の先祖である宇摩志
		摩治命(うましまじのみこと)に命じて、この剣を国を守る剣として祀らせた。
		崇神天皇の御代になって現在の場所に移し、石上大神(いそのかみおおみかみ)と称して物部氏の氏神とした、とされている。
		この事から、天皇家は古来、刀剣などの武器を神に奉納し、神社の宝庫は武器庫の役割を持っていたと考えられている。現在、石上神
		宮の境内には宝庫(神庫)があり、多数の神宝類が収められている。国宝の七支刀(しちしとう:上の写真の枝分かれした剣)や、重
		要文化財の鉄の盾(このホームページ、邪馬台国入門の卑弥呼以後の邪馬台国に写真がある。)などもこの宝庫に古代から伝わ
		ったものである。

  


目の醒めるような青葉の洪水。花の季節もいいが、緑一色の木々の中を行くのも実に楽しい。




この神社のまわりには鶏の放し飼いが多い。
至る所に鶏がいて、このように境内の木にも
たくさん止まっている。
神さんの食料かな?




静寂そのものの境内には霊気すら漂っている。
若い頃に読んだ萩原朔太郎の詩のような感覚に陥ってしまう。
いかにも神話の世界の入り口にふさわしい。
雨上がりの冷気が、古代のロマンとともに旅人を包む。






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