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九品寺
2004.May.1 歴史倶楽部第83回例会
九品寺(くほんじ)
浄土宗の寺。「九品」とは、現世の所業によって来世の浄土の世界では「上品上生(じょうぼんじょうしょう)」
から「下品下生(げぼんげしょう)」まで9つのランクに分けられ、それぞれに阿弥陀仏がおられる、という浄土
宗の教えに従って、山城の浄瑠璃寺や宇治の平等院には9体の阿弥陀が祀られているが、ここは「上品上生」の1
体だけが祀られている。最近本堂が全面的に改修されたそうで、石段もきれいになっている。
本堂のすぐ右側の小道を抜けて本堂の裏に出ると、左へ右へジグザグ状に細い坂道になって、その片側にはぎっし
りと石仏が並べられている。九品寺の千体仏と呼ばれる。上まで登ると斜面にも石仏が並んでいて見事である。
九品寺裏山の千体仏
南北朝時代にこの地を支配していた豪族の楢原氏が南朝方について鎌倉方と戦った時、地元の人たちが味方の身代
わりとして奉納したとのことである。上へ上がると、頂上に大きな地蔵像があり、階段状に沢山の石仏が並べられ
ている。少し高台になっているので、本堂の屋根越しに大和三山が遙かに望める。東屋もあったが、紅葉の木が多
く見事なので、新緑の紅葉の下で昼食とする。
ずっと前に久米寺へ行った時、そこにも紅葉の群生があって、小さな紅葉の苗を何人かが持って帰ったが、数年後
の今でもちゃんと育っているのは河原さんだけだという事で、みんな再度挑戦としきりに5,6センチの苗を土ご
とビニール袋に入れて持って帰っていた。「誰がキチンと育てるか賭けましょう。」と河原さん。
大和三山が綺麗に見えている。左から香具山、耳成、畝傍である。なかなかいい光景だ。
(この比定は間違っていることが後で分かった。)
年中赤い種類なのだろう。赤い紅葉と緑の紅葉。なんか、どっかのうどんの宣伝のような。
門を出る手前で右へ入ると回遊式の庭園になっている。樹木の間を抜けてゆくと池があり、その廻りを一周して庭園
を鑑賞できるようになっている。池の周りを回って、垣根を跨いで庭園の外へ出る。
九品寺の境内には幾つもこういう句碑が立てかけてあったが、私が一番気に入った句。三十一文字で表現されたこの
世界の、なんと奥深い事か。この句を詠んだ状景を色々と想像してみる。いずれにしても哀しい。
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