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鴨山口神社から六地蔵
2004.May.1 歴史倶楽部第83回例会


	近鉄御所駅を出て安位川を渡り、右手へ曲がって櫛羅口(くじらぐち)方面へ歩く。集落の中を進むとこんもりした
	森が家々の屋根越しに見えてくる。

 




	鴨山口神社

	大山祇(おおやまずみ)神を主神とする延喜式内社である。大山祇神は山を支配する神で全国的に祀られているが、
	最も有名なのは因島にある大山祇神社だが、ここの鴨山口神社はすぐ西に聳えている葛城山の神を祀っている。ここ
	に祭られている大日霊命(おおひるめのみこと)と御霊大神(みれいおおかみ)の神像は平安時代の作で重要文化財
	に指定されている。
	この葛城の地域には、このほかに高「鴨」神社、「鴨」都波神社と「鴨」のつく神社が3社ある。高鴨神社は前回の
	紀行で訪れたし、今日、ここと後ほど鴨都波神社を訪れる予定なので、今日で3神社を全部廻ることになる。
	鴨(賀茂)族の発祥と言われるこの葛城で、この3社はおそらく鴨族の氏神だったのだろうが、この山口神社はもと
	もともっと葛城山の山麓近くにあったらしい。それで山口という名前だったと言うが、山口神社というのは全国にあ
	るし、何かつながりがあるのだろうか。社務所の女将さん(らしい)の話では、現在この地には鴨(賀茂)さんとい
	う名前の人はいないそうである。






	我々は神社の脇から入ったので、正面の入り口から出ることになった。鳥居を出て左へ曲がり、県道を横切って真っ
	直ぐ葛城山方面を目指して歩く。道はなだらかな上り坂になって集落へ入る。道なりに暫く歩くと左側に高さ2m、
	横幅4m位の大きな石が見えてくる。前に廻ると6体の地蔵像が刻まれている。

 

 


	六地蔵

	仏教の教義では、人間が生死を繰り返す世界を六道(地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人間道、天道)と言い、そ
	れぞれの世界に地蔵菩薩がいて救いの手を差し伸べているという。仏教の説話を元に刻まれた6体の地蔵像。
	全国の街道筋や分かれ道によく立てられているが、これは室町時代の作といわれ、風雨のためにかなり摩滅していて、
	左端の1体はもうよく見えない。 





 


	六地蔵の脇に案内板があり、ここから真っ直ぐに行くと葛城山ロープウェー駅へ着く。その道と左へ山裾を南へ向か
	う道に分かれているが、我々はこれを行く。道はたんぼの間のあぜ道で、右は段々高くなって葛城山へ、左は段々低
	くなって御所市街に続いている。いい天気で、遙かに大和三山が見える。

 




	右手に見える丘の向こうに葛城山が聳えている。この山にはロープウエイがあり、楽に上れる。今頃、頂上にあるつ
	つじの花畑が満開だろう。下の写真の右側に見えている緑の葉は自然薯である。この辺りの自然薯は「やまといも」
	と呼ばれていて、通常の自然薯のように細長い形ではなくて、ボールのように丸い形だという。

	あぜ道をのんびりと歩いて行く。





 



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