Sound: A Taste of Honey









		「魏志倭人伝の旅、第一弾!」として、北九州(福岡・佐賀)の、主に弥生遺跡を中心に見学した今回の旅。いよいよ今日は
		大阪へ戻る日である。「末羅国」の遺跡を見た後、唐津城を見ていくことにした。

 


		天正18年(1590)、天下統一を果した豊臣秀吉は、海外に目を向け朝鮮への侵略支配を企てた。平安末期から当地で活躍した
		上松浦党最大の一族・波多氏は、朝鮮出兵における失態を理由に文禄2年(1593)、秀吉によって滅亡させられ、五百数十年に
		およぶ歴史に幕を降ろした。その後文禄4年(1595)、波多親(はたちかし)の旧領地の代官を任せられたのが豊臣秀吉の側近
		の1人、唐津藩初代藩主・寺沢志摩守広高(てらさわしまのかみひろたか)である。唐津城は、寺沢広高が7年の歳月をかけ
		て慶長13年(1608年)に建立した。秀吉の朝鮮出兵の本拠地となった名護屋城の解体資材を用いて造られたといわれる。

		唐津城の天守閣に登るには長い石段を上ることになるが、天守閣横へ上る斜行エレベータもある。天守閣へ登る石段は222
		段ある。当時の建物はほとんど残されておらず、現在建っているのは復元された天守閣である。



 


		文禄・慶長の役(1592〜1598)は、ここ唐津より程近い肥前名護屋(現鎮西町、呼子町)を基地としたが、秀吉が没(1598)し、
		文禄・慶長の役が終息すると、関が原の合戦(1600)によって支配体制を確立した徳川幕府により、名護屋城は取り壊しを命ぜ
		られた。その名護屋城の解体資材を用いて、慶長13年(1608)寺沢広高により築城されたのが唐津城である。九州の諸大名が
		5年間築城を手伝ったという。その名残りとして肥後濠、佐賀濠、長州濠、薩摩濠という名前が残っている。唐津の風光明媚
		な町並の基礎を築いた初代藩主・寺沢広高は、関ヶ原の戦いなどの戦功により天草領4万石を合せ12万3千石の大名となっ
		たが、その後「島原の乱(1637)」によって寺沢家三代目、二代藩主堅高(かたたか)は天草4万石の領土を没収され、藩財政
		の悪化により発狂、自害し寺沢家は断絶した。




		寺沢堅高は天草の乱が起きると、責任を問われて天草4万石を召し上げられて発狂、自害する。その後、大久保、松平、土井
		など徳川譜代の大名が唐津へ入城している。明治の廃藩置県によって廃城となったが、現在の5層の立派な天守閣は昭和41
		年に復元されたもので、今では唐津のシンボル的存在となっている。内部は歴史展示館になっており、江戸時代の様々な道具
		や歴代城主の遺品、唐津の歴史を刻んだ品々が展示されていて、天守閣を中心に西に西の浜松原、東に虹の松原を、鶴の両翼
		に見立てて別名「舞鶴城」とも呼ばれ、天守閣からは唐津湾など抜群の眺望が開けている。

 



「ひゃーええ眺めやねぇ!」 「唐津やねぇ−。」 「なんやそれ。」




		国指定特別名勝・日本三大松原の「虹の松原」(上右)は、寺沢広高が慶長年間に植林したものであり、約100万本の黒松
		の群生は潮風を防ぎ、当時からこの地に豊かな農地をもたらした。今でも彼の功績は受け継がれ、同時に素晴しい景勝もその
		まま残っている。上左は天守閣から眺めた玄界灘で、右の鉢を逆さにしたような島が高島である。ここに高島神社があり、買
		った宝くじを持ってお参りすると7割が当たるそうで、高額当選者の名前がズラリと張り出してあるという。「(お参りに)
		いっぱい来ますよ。」とタクシーの運ちゃんはいう。

 

3月もぼちぼち終わろうかというのに、みんな寒そうな格好しとるなぁ。

 

天守閣内部は展示館になっている。秀吉時代の兜とか刀剣、古唐津焼きなども展示してある。



 

 



唐津城の対面にある鏡山から見た唐津城。


		唐津城は、唐津湾に面した小高い満島山に配置され、松浦川の流れを引き寄せて南側には堀割(ほりわり)を、東側には河口
		を開き、防御と舟運の便を図ったその築城技術は、特筆すべき点である。松浦川の河口に建つ唐津城は、東に虹の松原、西に
		西の浜の松原を従え、天守閣は5層5階地下1階で、1966年に再建された。この一帯を舞鶴公園ともいい、特に城の東側、
		松浦川に架かる橋のあたりから眺めるお城の光景は、満開の桜とともに抜群の眺望を誇り、鏡山とともに唐津市の桜の名所と
		なっている。城内の桜の数は約500本で大部分はソメイヨシノだそうだ。



夕日に映える唐津城

		【唐津城案内】

		所在地 : 唐津市東城内8−1 
		開館時間: 09:00〜17:00   (入場は16時40分まで)
		入城料 : 大人 400円  小人 200円  (30人以上の団体は2割引) 
		駐車料金: 普通車以下2時間以内 300円  
			  茶室(1室当たり)  茶会のみ 2時間以内 1,010円  
			  広間  休憩・会議2時間以内 1,010円  
		休館日 : 12月29日〜12月31日 
		交通  : (最寄の駅又は空港からのアクセス方法)
			  JR筑肥線/唐津線 唐津駅下車 徒歩20分 
			  ※舞鶴公園上段への傾斜エレベーターもあり。利用料大人100円小人50円 
		築城年 : 文禄4年(1595年)
 		築城者 : 寺沢広高
		主な遺構: 天守閣、隅櫓、本丸櫓門(いずれも模擬)、石塁、堀
		問合せ先: 唐津城 管理所 TEL 0955-72-5697


 邪馬台国大研究・ホームページ / 日本の城と城下町 /chikuzen@inoues.net