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天理参考館

天理大学附属博物館 唐古・鍵遺跡から天理へ 奈良県・田原本町 歴史倶楽部第95回例会 2005.4.3(日)・ 4.30(土)




 

天理駅は近鉄とJRが同居している。駅前は文字通りどデカい広い広場で、その一角に海獣葡萄鏡のモニュメントがある。




	歴史倶楽部としての例会は、2005.4.3(日)だったのだが、ここが探訪の最後だったので、商店街の中で反省会が済んで
	天理駅に着いたときには真っ暗だった。その後、連休の初め(30日)に再び訪れたので、ここでの写真は両者が混在し
	ている。同じ写真を写したりしたが、写りのいい方をここに掲示した。



駅前にあった附近の案内図。



天理駅から「天理本通り」という商店街を抜けてくると、20分ほどで天理教本部に着く。下が本殿。



 


	その本殿から陸橋を渡った真向かいに天理大學附属博物館「参考館」がある。下が本殿側から見た参考館だが、その全景
	はとてつもなくデカイ。クリックしてもらえば全景が見れるが、これは見終わって帰ってくるときの写真だが、この光景
	が四方八方に展開している。いかに世界の天理教とは言ってもこれはデカ過ぎる。天理には以前にも1,2度来たことが
	あるが、改めてその範囲の大きさにドギモを抜かれてしまった。



 

 

下はその裏側。こっちが参考館の入り口である。本殿とはちょうど反対向きに入り口がある。左端は工事中でまだ建物を継ぎ足していた。




	「天理参考館」は、宗教法人「天理教(てんりきょう)」の運営する天理大学の附属施設である。民俗学・考古学を中心
	にした博物館で、その源は天理教の海外普及活動にあるようである。
	大正14年(1925)、天理教二代真柱(天理教では教祖に相当する人をこう呼ぶ。おやさと。)の中山正善は、天理大学
	の前身である天理外国語学校に、博物館を設けることを宣言する。そして、海外へ布教に行く人々や自らも、その地の民
	俗資料、考古資料の収集に努め、昭和5年(1930)天理中学校で、収集した中国の民俗資料の展示が「支那風俗展覧会」
	として行われた。その後、展示資料は天理外国語学校の本館に収蔵され、「海外事情参考品室」とした。これが天理参考
	館の始まりである。この時の呼び名で、今でも「参考館」と呼ばれているようだ。昭和13年(1938)には海外事情参考
	館、昭和15年(1940)年には天理大学附属施設となり、昭和30年(1955)には博物館相当施設の認可をうけた。また、
	翌昭和31年には新築された「おやさとやかた」に移設、現在は常設展示や企画展示のほか、各種出版物の刊行、布留遺
	跡発掘などの調査研究、友の会の活動などをつづけている。


		利用案内

 
	開館時間 : 午前9時30分〜午後4時30分 (入館は午後4時まで)
	休館日  : 毎週火曜日(祝日の場合はその翌日)毎月25日〜27日,4月17日〜19日,7月26日〜8月4日は開館。
		   ○創立記念日(4月28日) ○夏期(8月13日〜17日) ○年末年始(12月27日〜1月4日)
	入館料  : ○ 大 人・・・・・・・・400円
		   ○ 団 体(20名以上)・・・300円
		   ○ 小・中学生・・・・・・200円
 
	駐車場  : 無料  乗用車 60台,身障者用 3台 大型バスも駐車可能。 
	問合せ  : 電話 0743-63-8414
	その他  : ●全館バリアフリー 車椅子対応エレベーターあり
		   ●ベビーカー・車椅子の貸し出し、無料。(ベビーカー2台・車椅子4台)
		   ●音声ガイドプレイヤー貸し出し、無料。
			日本語・英語・韓国語・中国語・ポルトガル語の5ヶ国語の他,視覚障害者用としてさらに詳しい
			解説もあり。
		   ●コインロッカー エントランスホールに設置。100円玉が必要(利用後に戻る)。
		   ●身障者用トイレ 
		   ●授乳室 2階女子トイレ前に設置。おむつ換えベットも設置。
		   ●救護室  1階に設置。
		   ●図書コーナー 2階ホールに書架を設置。当館で出版した図録を中心に配架。
		   ●情報検索コーナー 2階ホールにコンピュータ4台を設置。当館の収蔵資料を紹介する参考館セ
				レクションのほか,イベント,刊行物,沿革などの情報。






	展示内容は、大きく2つの分野に別れている。1つは世界各国・各地域の民族・民俗を紹介した「世界の生活文化」と題
	する民族学のコーナーで、世界各地の生活文化資料を収集・研究・展示する。このコーナーでは、アイヌ民族・朝鮮・中
	国・インド・メキシコなどのさまざまな民具や祭りの道具・仮面が鑑賞できる。もうひとつは「世界の考古美術」で、日
	本・朝鮮半島・中国などの出土遺跡を常設で展示している。また年に数回、企画展も行なわれている。天理参考館は、民
	族(俗)学・考古学の専門博物館と言ってよい。

	天理市にあるこの博物館の存在は以前から知っていた。しかし「天理教」という宗教法人の存在になんとなく足が遠のい
	ていた。別に天理教に対して何か意趣があるわけではないし、宗教に対して偏見や特別な意見を持っているわけでもない。
	ただなんとなく積極的に近づこうという気分ではなかっただけである。しかし今回訪れて、少なくともこの「参考館」の
	展示とその内容には仰天してしまった。私は今までに、西日本を中心に約200あまりの博物館を見てきた。平成17年
	初夏の現在、これから東日本の博物館行脚にも手を染めようとした矢先、ここを訪れて正直その気持ちが萎えてしまった。
	「もう他の博物館など見なくてもいいのではないか。ここに居れば、私の研究テーマである古代の様相は、殆ど理解でき
	てしまうのではなかろうか。」マジでそう思わせるほどの内容をこの博物館は持っている。紫香楽の「ミホミュージアム」
	の展示内容を始めて見たときもこれに近い感じを抱いたが、ここはそれ以上である。ここの展示物に匹敵する内容は、上
	野の「東京国立博物館」くらいではなかろうか。少なくとも日本・中国・朝鮮の考古資料の分野では群を抜いている。
	こんなに考古資料が充実しているのなら、もっと早くここを訪れておくべきだった。しかし、今からでも遅くは無かろう。
	せいぜい通わせてもらって、古代の雰囲気と世界に浸ろう。




	今から歴史を、特に日本の古代史を学ぼうとしている人。そしてそれに興味がある人でまだここに来たことの無い人。
	そういうひとにはこの博物館は絶対お薦めである。古代史入門を卒業された段階くらいの人、ここに来たらあなたの古代
	史観はもっと研ぎ澄まされる事請け合いである。今の所この博物館が、井上筑前NO1の推薦博物館である。



		常設展 

		世界の生活文化

		 1 北の大地がはぐくむ手技 −アイヌ−
		 2 伝統社会の道しるべ −朝鮮半島−
		 3 福 禄 寿 −中国・台湾−
		 4 祖霊と共に生きる −台湾の先住民−
		 5 村落空間に満ちる祈り −バリ−
		 6 熱帯雨林を彩る伝統の美 −ボルネオ−
		 7 ヒンズー社会の原風景 −インド−
		 8 水辺に生きる −アジアの海・河川−
		 9 母から娘へつなぐ織り −メキシコ・グアテマラ−
		10 精霊たちの森 −パプアニューギニア−
		11 移民と伝道 −日本から南北アメリカへ−
		12 庶民のくらし −日本−
		13 くらしの中の交通








 


		世界の考古美術

		14 日本
		15 朝鮮半島
		16 中国
		17 オリエント
		18 布留遺跡

		企画展

		19 東国の古墳文化



	さぁ、御覧頂いていかがだったでしょうか?

	前段で私の言っていた事が、決して大げさでは無いことがおわかりいただけたと思う。ここの展示物はホントに凄い。
	しかも、最近の博物館と違って、ただ1点のレプリカを除いて全て本物である。これには驚く。よくまぁこれだけ集めた
	ものだと感心する。それにしても、ミホミュージアムといい、ここといい、どうして宗教法人はこんなにお金があるんだ
	ろう。私の会社なんぞよりよっぽど儲かってそうだ。


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