つぼり山古墳へ行く前に寄った平群町公民館。ここに、中央公園の廿日山(はつかやま)遺跡からの出土物の一部が展示し てある。しかし錦織さんには悪いが、ここは今まで見てきた中でも、おそらく最低限の展示場である。出土物がかわいそう な気になってくる。錦織さんによれば、「平群は行政側に革新系が多いので福祉施設は充実しているが、文化面や町の施設 は立ち後れている。」のだそうだ。そういえば町役場は、近年の役所にしては恐ろしく粗末だったが、それはいいとしても もう少し文化面にも予算を割いて欲しいものである。「人はパンのみにて生きるにあらず」という言葉も在るくらいだし。 大阪府南河内のどっかの町では、出土物が役場のロッカーの中に新聞紙にくるまれて保管されているという話も聞いたが、 町の住民の文化度を疑わざるを得ない。
<県指定 ツボリ山古墳> 主体部は南に開口する両袖式の横穴式石室で、奥壁上段の石を内傾させている。玄室長4.25m、玄室幅 2.2〜2.55 m、玄室高さ2.45m、羨道長4.65m、羨道幅 1.7〜1.82m、羨道高さ1.7mを測る。玄室と蒼ケ奥に二上山の 白色凝灰岩製の刳抜式家形石棺が納められている。近畿地方では一般に、石棺が2つある場合、例えば二上山系と播磨系の 組合せという具合にになるのだが、ここは二上山の刳抜式家形石棺が2つ入るめずらしい例だそうだ。7世紀初頭の築造と 言うことなので、古墳時代終末期にあたる。玄室への入り口には鉄製の柵があるが壊れている。或いは壊してあるのかもし れない。入り口上部にトタン屋根がかぶせてある。
古墳上で、一人「いにしへ」に思いを馳せる松ちゃん。果たして、見ているのは自分の未来かもしれない。