20年ほど前は、フグと言えば高級魚の象徴で、2万円、3万円の料金を取るのが当たり前だった。それが、ここ 最近、フグの値段が、目立って下がってきている。てっちり(ナベ) が1人前2000円以下、コースでも3000円台 というのも珍しくない。いったい何が起きてフグの値段は下がったんだろう。
トラフグの価格破壊には養殖業の進歩が背景にある。てっちり1人前1980円。てっさ(刺身)1人前980円。てっち りとてっさ、湯引き (皮刺し)、雑炊、香物のセットが1人前3700円。それに唐揚げが加わると4980円。サラリー マンの懐で十分に手の届くフグ料理を提供しているのが、「玄品 下関ふぐ」チェーンである。同チェーンは関西 に22店、関東に店あり、年商は40億円を数えるが、これだけの破壊値なのに使うフグは、フグの中でも最高級の食 材、トラフグのみ。なぜ、そのようなことが可能なのであろうか。「大阪ではこれが普通の価格ですよ。これまで 東京のフグ専門店は、暴利を取りすぎだったんです」と語るのは、同チェーンを展開する関門海(大阪府松原市) の岡本洋一常務。 同社は22年前、大阪府の郊外、藤井寺市で山口聖二社長が起こした10席ばかりの小さなフグ料理店より発祥。店内 の水槽に生かされた「泳ぎトラフグ」を網からすくってその場でさばき、新鮮なてっちり、てっさを提供すること で人気が高まった。東京には平成11年(1999年)12月に新橋店がオープンし、初上陸した。この価格で販売できる からくりは、1つは養殖物のトラフグを使っていること。しかも、大量 に仕入れるので価格を下げられる。トラフ グの値段は天然物と養殖物では5〜8倍は値段が違う。味も比較にならない。「食べ比べれば、素人でも一目瞭然」 (岡本常務)という。彼の「東京は高すぎる」という発言は、東京では養殖物を天然物に混ぜたりしながらも、1人前 で万単位 の値段を平然と取る店があることを指してのものである。 フグの流通は山口県下関市の南風泊(はえどまり)市場を大半が経由するとされている。特に天然のトラフグには南 風泊は圧倒的に強い。なぜ、下関かというのは、トラフグの主な漁場である玄界灘、有明海など九州と瀬戸内海の ちょうど中間の位 置に下関があるこ とである。また、明治15年(1882年)に施行された「違警罪即決令」により、 毒魚であるという理由でフグ食が禁止されたが、それが明治21年(1888年)に山口県が全国に先駆けて例外的に解禁 されたことも関係している。これは、時の総理、伊藤博文が下関に宿泊した際にフグを食し、その美味に心動かさ れたのが解禁につながったというエピソードが残っている。ちなみに伊藤博文は山口県出身である。
フグはテトロドトキシンという猛毒を持ち、これを摂取すると、唇、舌先、指先にしびれを感じ、重傷の場合は1時 間半から8時間で呼吸困難に陥り、死にいたる。取り扱いを間違うと危険な魚だ。フグは世界に2700種ほどあると言 われるが、種によって毒を持つ部位 が違う。トラフグの場合は、卵巣、肝臓、腸に毒があり、都道府県の認可する "ふぐ調理師"(山口県は“ふぐ処理師”、神奈川県は“ふぐ包丁師”と呼ぶ)の監督のもとに加工処理を行わなけれ ばならない。フグの仲卸はこの身欠きと呼ばれるフグの毒を含む部位 を除去する一次加工処理の業者を兼ねており、 下関に29社あり、技術者が集中しているのである。このため、下関が伝統的にフグのメッカとなっているのである。 しかし、同社では各店に"ふぐ調理師"がいるので、身欠き加工をしたものを冷凍して仕入れる必要がない。南風泊 を必ずしも経由しなくてもよく、養殖業者から下関までの輸送費や仲卸のマージンが発生しない。このため、トラ フグを安く消費者に提供できるとのことである。 東京都はふぐ調理師免許は、受験資格、試験内容が厳しい。受験資格に調理師法に定める調理師免許を所持してい ることと通常5年、1000匹以上をさば かないと通らないとされている。一方、大阪では調理師免許を所有していな くとも3日間程度の講習を受講し、試験に合格すれば免許が交付されるので、家庭の主婦などでも免許を所有してい る人もいるということである。このことは、東京でフグが普及しなかった一因でもある。
全国のフグの7割を消費するとされる大阪の価格破壊はもともと、どのようにして行われたのだろうか。大阪の一番 店というと、づぼらやである。同店は大正9年(1920 年)創業であるが、フグ専門店になったのは戦後である。「ト ラフグの価格が下がる4、5月に天然物を大量に仕入れて、毒のあるハラを浜で抜いて、冷凍保存しておきます。これ は40年前から変わりません」と新世界店西島部長。大量に市場から仕入れて、自社で一次加工業者を通さずシステマ ティックにさばいているので、消費者に安く提供できるそうだ。フグはトラフグの国産養殖物を使っており、同社に よれば「天然物は高級魚だが、養殖物は頑張ればこのラインで出せる。養殖の技術が進歩して供給が安定してきたの が大きい」と、トラフグ養殖業界の技術革新が価格破壊の背景にあることを指摘した。長崎、大分、宮崎といった九 州産が主流となっている。
今年も色々とアチコチ行きましたね。倶楽部の公式例会としては、東北や関東など、まだまだ行ってないところも沢 山あるし、来年はいよいよ「秦の始皇帝」に会いに行かねばなりませんし、忙しいですよ。今年はまだ最後の例会も (高瀬川散策)23日に控えてますし、まだまだ元気でがんばりましょう! 1年間お疲れ様でした。来年も宜しくお願いします。