久里双水古墳(市指定史跡) 古墳時代初期、3世紀末から4世紀はじめに、唐津市内久里双水において日本最古級の大型前方後円墳が形成された。 昭和56年に発見され、平成6年8月の学術調査の結果、日本でも最も古い古墳の一つであることが確認された。全長 108.5m、後円部径62.2m、前方部幅42.8mの3世紀末から4世紀初めの前方後円墳である。後円部の頂上か らは内法で長さ2.5m、幅0.8mの竪穴式石室が検出され、内部には舟船形木棺を安置したと考えられる舟形粘土床 が発見された。竪穴式石室から直径12.1cmの盤龍鏡1面と、管玉2個さらに刀子が出土し、邪馬台国時代の3世紀 にさかのぼる前方後円墳の起源を考える上でも、全国的に注目される古墳である。発見当時はニュースステーションに も取り上げられ、一時ドッと見学者が訪れたらしい。出土された副葬品の在り方から、近畿とは別の文化圏の古墳であ る可能性が高いと注目されているし、前方後円墳もその起源は九州ではないかという説の拠り所にもなっている。魏志 倭人伝に記述される「末廬国」の首長墓ではないかという見方もある。現在は外観整備、ベンチ、ライトアップ等を整 え、石室のレプリカも作成し、古墳公園として市民や観光客に親しまれている。
以下は、唐津市にある主な古墳の築造年代。この古墳は3世紀初め、まだ弥生時代に築造されたと見られ、日本の前方 後円墳のルーツと目される。 AD300 久里天園遺跡 AD500 谷口古墳(浜玉町) 久里双水前方後円墳 さこがしら古墳 経塚山古墳(浜玉町) 樋ノ口古墳 長崎山古墳群 島田塚 外園古墳 中の瀬古墳群 所在地: 唐津市双水 交通: (最寄の駅又は空港からのアクセス方法) JR筑肥線/唐津線 山本駅下車 徒歩20分 バス停: つつじヶ丘団地 徒歩3分 問合せ先: 唐津市教育委員会文化課 TEL0955-72-9171
ここに掲げた発掘調査に関する写真等の資料は、(財)唐津市文化振興財団発行の、唐津市末廬館で行われている速報展で の各種資料から転載・掲示させて頂いた。記して深く感謝したい。