Music: think
遙かなる中国 −冬の北京を往く−
旅立ちの空
    
平成15年2月14日(金)〜 2月16日(金)

		
		昨年(2002年)暮れ、新聞を見ていたら近畿日本ツーリストの「JAL・JAS統合記念ツアー 北京2泊3日の旅」というのが
		載っていた。行き帰りJALで飛び、ホテル・ニューオータニに2泊して、故宮・故宮博物館・万里の長城などを見て、平日出
		発36,800円、週末出発が44,000円という格安ツアーだった。私は今までこの種のツアーには参加したことは無かったが、こんな
		値段で万里の長城を見れるなら是非行きたいと思い、WIFEに話したら私も行きたいというので、ここは一つ日頃の迷惑料にWIFE
		孝行をと、早速二人分申し込んだ。申し込み時には10何人でツアーの開催が心配だったが、当日は50人の参加者で、余り多
		いのでA班B班の2つに分かれてバス2台での行動になった。


		【パック要綱】  近畿日本ツーリスト「北京3日間」
		行先:    中国・北京
		日時:    平成15年2月14日(金)〜2月16日(金)2泊3日
		出発地:   大阪(関西空港)
		旅行会社:  近畿日本ツーリスト(梅田支店)・中青旅(中青旅電子商務有限公司:北京)
		パック名:  「クラブツーリスト デラックス北京3日間」(JAL利用)
		宿泊所:   ホテルニューオータニ北京(長冨宮飯店)(朝食2,昼食3、夕食2回)
		価格:    一人44,390円(他にビザ代2,500+4,200と関空使用料金2,650円/一人)








関西空港を飛び立って2時間20分の空の旅。
		
		ご存じの通り、北京は中華人民共和国(以下中国)の首都であり、中国の政治、経済、科学、文化、外交の中心である。北京は
		中国の7大古都(北京、西安、南京、洛陽、開封、杭州、安陽)の一つで、古代の宮殿、王室の庭園、寺廟や陵墓など歴史的、
		文化的遺産が目白押しである。また、風景の美しい自然もたくさんあり、開放政策後は年々訪れる観光客も増えている。中国に
		は現在のところ、99の国立歴史文化都市、750の国立重要文化財、119の国立重点風景名勝区がある。(中国観光局HP)
		そのうち、世界の自然・文化遺産に登録されているところが19カ所もあるのだ。




無事北京空港に着陸。滑走路以外の地面にはペンペン草が生えていた。


		
		中国についてはもういまさら語るまでもない。その歴史、文化が我が国に与えた影響は計り知れない。古来より、我が国は中国
		にあらゆるものを学び、中国を通じて世界を知っていたのである。今日の日本があるのは、古代中国のおかげであると言っても
		過言ではない。勿論、ある時期には古代朝鮮も我が国古代社会の成立に大きな役割を果たしたが、元々はその源も中国なのであ
		る。いやそもそもは、我々自身が中国人かもしれないのだ。北京郊外、房山区周口店村で発見された「北京原人」の多くの骨格
		は、広く東アジアに広まった人類がここから拡散していった可能性を色濃く語っているし、その辺りまで遡れば、東アジア人は
		誰かの言葉ではないが、「皆兄弟」なのである。中国人、朝鮮人、日本人などという区分はそもそもはないのだ。とは言っても、
		人類が拡散して行く過程で、「兄弟」達はそれぞれ異なった道を歩み始め、長男、次男、三男とそれぞれ異なった性格、異なっ
		た嗜好、異なった思考をする大人に成長した。そして、そもそもは兄弟であることも忘れて喧嘩もするようになったが、もうそ
		ろそろ喧嘩は止めて、お互いの人格を認め合い、協力して理想社会の実現に邁進すべきであろう。かっての「大東亜共栄圏」の
		ような、尊大で驕慢な押しつけの理想ではなく、相互理解と、できれば友情とによって。
		【最近の学説では、我々新人の直接の先祖は北京原人ではなく、北アフリカに20万年前出現した一人の女性らしい。】


		中国は、独特で多種多様な民族の集合国家である。それ故、多くの問題点を抱えているし、政治的な紛争も未だ内包したままで
		あるが、多民族の集合国家である故に、観光地としても多様で豊富な資源に恵まれている。それぞれの特色をもつ民族祝祭は毎
		月のように催されているし、京劇、雑技、ミュージックダンス、中国画と書道芸術など、いずれも奥の深さを秘めた興味つきな
		い題材である。観光客相手のスリやひったくりが多いとか、書画骨董に偽物が多いとか、依頼しても即対応してくれないとか、
		まだまだ問題も多いが、観光施設は日々整備されつつあるし、2008年のオリンピックを控えて街並は急ピッチで美化されている。
		旅行社のサービスも相当向上していて、あるいは日本人の添乗員などより遙かに親切で熱意がある。今回は2泊3日の短い旅だ
		ったが、実におもしろかった。北京だけでなく他の都市、例えば西安なんかにも是非行ってみたい。私は今まであまり海外旅行
		などには興味が無かった方なのだが、この分ではどうも中国にハマりそうな予感がしている。

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